超低速ミュオンとは

超低速ミュオン顕微鏡

超低速ミュオン顕微鏡は、超低速ミュオンビームラインの収束用超伝導ソレノイド電磁石の下流に設置されます。

超低速ミュオン顕微鏡

4. 超低速ミュオン顕微鏡
収束用超伝導ソレノイドによってφ70 mmまで収束された4 MeVの低速(表面)ミュオンビームはMu生成標的(高温タングステン箔)に打ち込まれ、瞬時に0.2 eVまで減速されます。減速されたミュオンは熱MuとしてMu生成標的から蒸発し、122 nmのライマンαレーザー光によって再びミュオン(超低速ミュオン)に変換されます。超低速ミュオンはSOAレンズ及び四重極レンズで収束させて、RFQにより任意の速度まで加速させることが可能です。

Ultra-Slow-Muon-Telescope-2

現在、理研RALでは1秒当たり1×106個の低速(表面)ミュオンから20個の超低速ミュオンが得られています。J-PARCでは毎秒5×108個もの世界最高強度の低速(表面)ミュオンを引き出すことが可能なビームオプティクスを建設しています。J-PARCの超低速ミュオンビームラインでは1秒当たり106個の超低速ミュオンを得ることを目標に、レーザーシステムの改良、ダイオメガ電磁石による低速(表面)ミュオンの収束等の技術開発が進められています。