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2022年
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今年も頑張って行きましょう!
コロナに負けないで!
2021年
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今年もコロナ禍のため、出張は一回もできませんでしたが、オンラインでの講演は、
結構な数こなすことできました。特に超弦理論の研究と符号問題の研究が、
いい感じで発展してきており、いろいろなところから講演に呼ばれました。
たいへんありがたいことと思っております。
2021年12月3日、
KEKジャーナルクラブ、文献紹介
zoomによるオンライン
"Making quantum cosmology well defined
by simplices and thimbles"
今年度の文献紹介は、10月にプレプリントがarXivに出た
Ding Jiaさんの量子宇宙論に関する論文。
以下で紹介した11月の京大基研の国際研究会でも量子宇宙論について議論されましたが、
その場合の最大の問題である「符号問題」を、generalized Lefschetz thimble methodと
呼ばれる方法で解決するという研究が、最近注目されています。
この論文では、そうした流れを汲んで、従来のいわゆるminisuperspace近似ではなく、
単体分割の手法を使ってフルに量子重力を解くためのアイディアが述べられています。
私も大学院生の頃、単体分割に基づく量子重力の研究をしていたこと、
また、ここ7,8年間、符号問題に関する研究をしてきたこともあり、
今回はこの論文をとりあげることにしました。ビデオ録画をしていただいたので、
こちらのリンクから
当日の様子をご覧いただけます。スライドのpdfファイルだけなら
こちらから見られます。
2021年11月8-10日、国際研究会、
"Recent Progress of Quantum Cosmology"(RPQC21)、一般講演
京大基研、zoomによるオンライン参加
"The emergence of spacetime in a matrix model formulation of superstring"
量子宇宙論に特化した珍しい研究会。総研大の卒業生で、現在、
基礎物理学研究所で拠点プロジェクト研究員をやっている
松井宏樹君が中心になって企画したそうです。
私も、2021年2月に出た松井君の論文を読んだのがきっかけで、
TurokやHartleの量子宇宙論に関する最近の論文を読んでいたので、
大変興味深く、参加させていただきました。
ただ、この二人は量子宇宙論の話を敢えてせず、その意味では少し残念でした。
その代わり、オンラインとは言え、AshtekarやVilenkinの話を聴けたのはよかったです。
この分野の重鎮らしい、含蓄のある話をされていました。
私の講演では、IKKT行列模型にローレンツ不変な質量項を加えるというアイディアを
初めて発表しました。IKKT行列模型が1996年に発表されてから、実に25年もの年月を経て、
ようやく(3+1)次元の膨張宇宙を再現するのに必要な修正が、明らかになったように思います。
現在、研究が急ピッチで進められているところですが、研究が進めば進むほど、
もっともらしい結果が現れてきます。近い将来、論文の形で発表できると期待しています。
スライドのpdfファイルは
こちらから見られます。
2021年9月20-27日、Corfu2021、
Workshop on Quantum Geometry, Field Theory and Gravity、招待講演
ギリシャ、コルフ島、zoomによるオンライン参加
"Signature change of the emergent space time in the IKKT matrix model"
2019年のCORFU2019から2年を経て、再びがコルフ島で研究会が開催されました。
現地では対面で講演が行われていましたが、日本にいる我々は海外出張がかなわず、
残念ながらオンラインでの参加となりました。
世話人には、ギリシャのK.N. Anagnostopoulos氏、G. Zoupanos氏の他、
日本からは川合光さん、綿村哲さんと私、
ヨーロッパからはP. Aschieri, F. Lizzi, D. O'Connor, H. Steinacker, R. Szabo
といった人たちが加わりました。
私の講演では、超弦理論の数値的研究の話をしました。
2021年6月15日、Mathematical Physics Seminar Series、招待講演
University of Vienna and Technical University Vienna、
zoomによるオンライン
"Exploring the beginning of the universe by a
nonperturbative formulation of superstring theory"
ウィーン大にいる友人Harold Steinacker氏から講演の依頼を受けました。
ウィーン大とウィーン工科大の合同で企画している数理物理セミナー・シリーズです。
超弦理論において、(3+1)次元の膨張宇宙がどのようにして実現するかを
数値的に研究する話をしました。
2011年に書いた論文以来、さまざまな紆余曲折を経て、
ようやく新しいビジョンが見えてきました。ここでの発表は、
その中間的な報告になっています。
この後、話はさらに発展し、近い将来、この問題に答えを与えられる可能性がかなり現実味を帯びてきました。
2021年4月12日、
計算物質科学オンライン座談会「第9回:計算量子科学の発展」、招待講演
zoomによるオンライン
「符号問題、特に複素ランジュバン法に関する最近の発展について」
今回は珍しく、東大の大久保毅さんという異分野の方から招待講演の依頼を受けました。
2019年1月14-16日に開かれたKEK連携コロキウム・研究会エディション
「量子多体系の素核・物性クロスオーバー」での私のスライドをご覧になって、
声をかけてくださったとうかがいました。ありがたいことです。
"Quantum Computational Materials Science Roundtable"という名前の、
物質科学の数値的な研究に取り組んでいらっしゃる皆さんの座談会です。
2020年から開始した新しいもので、量子系の数値計算に関わる話題をターゲットにしていて、
これまでに隔月で合計、8回実施してきたそうです。
参加者は毎回100人程度で、物性物理・化学を専門とする方を中心に、企業の方を含め、
様々な背景の方がいらっしゃるようです。
符号問題を解決する有望な可能性の一つと考えられる「複素ランジュバン法」について、
レビューをしてください、ということでしたが、相補的な方法として、
後半ではgeneralized Lefschetz thimble methodに関する最近の発展についても触れました。
符号問題の解決が、様々な分野で重要になっていることを実感しました。
スライドのpdfファイルは
こちらから見られます。
2021年2月19日、
KEKジャーナルクラブ、文献紹介
zoomによるオンライン
"Worldvolume Hybrid Monte Carlo algorithm in
generalized Lefschetz thimble method"
今年度の文献紹介は、2020年12月にプレプリントがarXivに出た
福間将文さんと松本信行さんの論文。
符号問題を解決する有望な可能性の一つと考えられる
generalized Lefschetz thimble methodと呼ばれる方法に関する研究。
これまでのエルゴード性の問題を克服しつつ、効率の良いアルゴリズムを実現した
画期的なアイディアを紹介しました。当日は文献紹介といいつつ、原著者のお二人にも
参加していただきました。今回は、ビデオ録画をしていただいたので、
こちらのリンクから
当日の様子をご覧いただけます。スライドのpdfファイルだけなら
こちらから見られます。
2021年1月18-22日、インドICTS研究会
“Nonperturbative and Numerical Approaches to
Quantum Gravity, String Theory and Holography”、招待講演
zoomによるオンライン・セミナー
ICTS,
Bangalore, India, January 18 22, 2021
"Complex Langevin simulations of the matrix model for superstrings"
インドのバンガロールで開催される予定だった研究会。
コロナ禍のためオンラインになってしまいました。Anosh Josephを中心に
Toby Wiseman, David Berenstein, Simon Catterall, David Schaich,
花田政範氏と私が世話人をやりました。
ヨーロッパ、インド、アメリカといったところから参加するため、
時間帯が日本の午後8時頃から始まり、夜の11時とか夜中の1時とかまで。
結構きつかったですが、参加者の若い学生さんたちが熱心に質問をしてくれて、うれしかったです。
2020年
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今年は、コロナ禍のため出張がありませんでした。
その代わりに、オンライン・ミーティングが気軽にできるようになり、
かえってセミナーをしたり、聞いたりする機会が増えたような気もします。
2020年12月15-18日、KEK Theory workshop 2020、招待講演
zoomによるオンライン講演
"Color superconductivity in lattice QCD"
毎年恒例のKEK理論研究会。今年は初めてのオンライン開催。
4日間、日替わりでトピックを決めて、招待講演を集めました。
1日目はhigher form symmetry、2日目は有限密度QCD
3日目は機械学習を使った超弦理論の研究、4日目はブラックホール
ぼくは2日目の大西明さん、柏浩司さんのあと、最近の複素ランジュバン法を使った
カラー超伝導の研究について話しました。
2020年11月2日、
McGill University、セミナー
zoomによるオンライン・セミナー
"Emergence of (3+1)D expanding space-time from the Lorentzian
IKKT matrix model"
カナダのMcGill Universityから、オンライン・セミナーを頼まれました。
宇宙論で著名な研究者Robert Brandenburgerさんが、我々の行っている
IKKT行列模型の研究に興味を持ってくれたようです。
問題は時差。モントリオール時で正午からRobertとポスドクのSuddha君(インド人?)
と30分ほど話した後、一時間のセミナーをしたのですが、
あいにく直前にサマータイムが終わってしまったせいで、時差は14時間に拡大。
セミナーをしたのは、日本のAM2時から3時まで。
草木も眠る丑三つ時です。直前に30分ほど仮眠してから臨みましたが、
それでもセミナーが終わった瞬間、倒れこむように寝てしまいました。
2019年
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今年は、6年振りにギリシャのコルフ島に行きました。
長年のコラボレーターのコスタスとも久しぶりに会えてよかったです。
それから、生まれて初めてイタリアと島根に行きました。
2019年12月16日-19日、
研究会「シミュレーションによる宇宙の基本法則と進化の解明に向けて」(QICS2019)、招待講演
京都大学基礎物理学研究所パナソニック国際交流ホール
"超弦理論の数値シミュレーションと時空形成"
毎年開催しているポスト京重点課題9の全体シンポジウム。
今回は最終年度ということで、基研にて盛大に行われました。
シンポジウムの翌日には、青木慎也さんの還暦のお祝いの研究会が行われました。
計算物理という切り口で、様々な話を聞くことができて有意義でした。
2019年10月11日、KEK Journal club
KEK Theory Center
"Emergence of (3+1)D expanding space-time from the complex Langevin
simulation of the Lorentzian IKKT model"
理論センターで一人毎年一回の頻度で回ってくる文献紹介の会。
今回は同じ年なのに、年度が変わったので2回目です。。。
いろいろと忙しい時期に当たってしまったため、他の人の論文を読む時間が全くとれず、
結局自分の研究を話すことにしました。興味を持って聞いてもらえたと思います。
2019年9月18日-25日、
workshop on “Quantum Geometry, Field Theory and Gravity”、世話人、招待講演
ギリシャ、コルフ島
"New perspectives on the emergence of (3+1)D expanding space-time in the
Lorentzian type IIB matrix model"
6年振りにギリシャのコルフ島の滞在型研究会に招かれました。
昨年ウィーンで主催者のズパノス氏に声をかけられ、今回は世話人としての参加です。
長年のコラボレーターであるコスタスと、その学生のストラトスと議論しました。
今度KEKに滞在することになるかもしれないイギリス在住のイタリア人大学院生マウロとも
初めて会うことができ、食事などを一緒にしました。
日本からは、川合さん、福間さん、土屋さん、綿村さん、佐古さん、浅野さんといった方々が
参加しました。毎日おいしいギリシャ料理を堪能しました。
恒例のグリーク・ナイトでは、ギリシャの民族舞踊を観賞することができ、素晴らしかったです。
2019年9月11日、「離散的手法による場と時空のダイナミクス」研究会、世話人、招待講演
島根大学 松江キャンパス
"複素ランジュバン法の様々な応用の可能性"
毎年開催している通称、「離散研究会」。今年は島根大です。
山陰地方に行くのは初めてでしたが、西垣さんのご尽力で
とても楽しい研究会になりました。
初日は台風で開始を遅らせるなど、大変でした。
多古鼻マリンパークでのBBQは、米谷さんや河本さんと語らうことができて最高でした。
特に、加堂君のテンソル・ネットワークの話が興味深く、その後KEKにセミナーに
来てもらうことになりました。
2019年8月5日-9日、
“RMT in Sub Atomic Physics and Beyond”、招待講演
(Jac Verbaarschot氏の65歳の誕生日を記念する研究会)
ECT*, Trento, Italy
"Perspectives of complex Langevin calculations in finite density QCD"
フェアバースコットさんの65歳の誕生日をお祝いする研究会。
昔いっしょに論文を書いたというご縁で、お招きにあずかりました。
関係する多くの研究者が集まって、アットホームな雰囲気の中で楽しめました。
Jacques Bloch、Tilo Wettig、Maria Lombardo、Urs Hellerといった
格子ゲージ理論の研究者も大勢来ており、
日本からはぼくの他、深谷さんと西垣さんが参加していました。
2019年7月23日-27日、
the OIST workshop “Quantum and Gravity in Okinawa”,
招待講演
OIST, Okinawa
"Complex Langevin simulation of the Lorentzian type IIB matrix model and
the emergence of smooth (3+1)D expanding space-time"
昨年のStrings2018に引き続き、OISTに行ってきました。
今回は招待講演ということで、ただ参加しただけの前回とは気分が全然違います。
コペンハーゲン時代にお世話になったアンビョン氏と18年ぶりに再会し、懐かしかったです。
量子重力に関連した研究会でしたが、かなりマニアックな講演が多かった印象です。
普段なかなかお目にかかれない方々と、知り合いになることができました。
琉球大の小田さんには、大変お世話になりました。
2019年7月10日、京大セミナー
京都大学理学部
"複素ランジュバン法によるタイプIIB行列模型の数値的研究と時空の生成"
久しぶりに京大理学部にセミナーに招かれました。
最新の研究成果について、川合さんのグループの前で話せたのは、大変有意義でした。
夕食でインド料理をご馳走になった後、カラオケにまで連れて行っていただきました。
2019年6月24-26日、
The 17th International Conference on QCD in Extreme Conditions (XQCD 2019)、
招待講演
筑波大学文京校舎
"Current status and perspectives of complex Langevin calculations in finite density QCD"
極限状況下でのQCDに関する国際会議XQCDが、今年は日本で開かれました。
我々が推進している、有限密度QCDの複素ランジュバン計算に関するレビューを依頼され、
全日参加してきました。クォーク数密度に対する我々の計算結果が、化学ポテンシャルの
関数として見たときに、一定値となる領域があることが前から謎だったのですが、
それに対する解釈ができることがわかり、大変有意義でした。
2019年3月14-17日、
日本物理学会第74回年次大会、一般講演
九州大学伊都キャンパス
"複素ランジュバン法に基づくローレンツ型タイプIIB行列模型における時空構造の研究"
今回は学会若手奨励賞の選考委員長として、選考経緯について講演することになりました。
せっかく福岡まで行くのだからということで、土屋氏と1年がかりでやった研究の話をしました。
毎晩、もつ鍋、水炊き、博多ラーメン、博多うどんなど、博多グルメを満喫できました。
空いている時間には太宰府に行き、博多人形を用いた菅原道真に関する展示などを見てきました。
2019年1月14-16日、
KEK連携コロキウム・研究会エディション
「量子多体系の素核・物性クロスオーバー」、招待講演
KEKつくばキャンパス、4号館セミナーホール
"符号問題はどこまで解けるか 〜複素ランジュバン法からの新たな視点〜"
KEK内の素核研と物構研が連携して行っているコロキウムの研究会版として、
年明け早々に開かれました。
今田正俊さんのハバード模型の数値的研究の話や、上田正仁さんの観測が量子系に及ぼす影響に関する話など、
興味深い話がいろいろと聞きました。
講演のファイルは、研究会のホームページからダウンロードできます。
2019年1月9-10日、
素粒子・原子核・宇宙「京からポスト京に向けて」シンポジウム、招待講演
筑波大学東京キャンパス文京校舎
"超弦理論の数値シミュレーションの現状と展望"
毎年開催しているポスト京重点課題9の全体シンポジウム。
サブ課題Aの"究極の自然法則と宇宙開闢の解明"に関する講演者の一人として話しました。
今回はハドロン・原子核分野の方々と議論ができて、大変有意義でした。
ポスト京のデザインについても、詳しくわかってよかったです。
講演のファイルは、シンポジウムのホームページからダウンロードできます。
2019年1月7日、
KEK Journal club
KEK Theory Center
"Fermion mass generation without spontaneous symmetry breaking"
理論センターで一人毎年一回の頻度で回ってくる文献紹介の会。
今回は年明け早々に当たってしまいました。。。
11月くらいから関連論文を読みあさり、論文の著者の人にメールで質問までして、
準備するのに相当時間をかけてしまいました。
おかげでこのテーマの現状や格子カイラルフェルミオンなど、
他の話との関連性がよく理解できました。
2018年
コメント
今年は、エジンバラとウィーンに行けてよかったです。
また国内では二度(京都と理研)にわたり、
ハドロンの人たちが企画した研究会に招かれたことが印象的です。
もともと本業は超弦理論ですが、複素ランジュバン法の応用として始めた有限密度QCDの研究が、
専門家の間でも注目され始めたということだと思います。
2018年11月22日、
広島大学セミナー
広島大学
"Complex Langevin method and its application to finite density QCD"
広島大学で複素ランジュバン法に興味を持っている学生さんがいるということで
セミナーに呼ばれました。
セミナー前日からその学生さんを交えて金森さんと石川さんと議論しました。
今回は2泊3日でしたが、2晩とも広島風お好み焼きを堪能しました。
お昼には、キャンパス内のレストランで、カキフライを食べました。
2018年9月21日、
Tsukuba Global Science Week 2018、招待講演
つくば国際会議場(Tsukuba International Congress Center)、つくば市
"Cosmology from matrix model formulation of superstring theory"
金谷さんや石橋さんといった筑波大の方々が中心になって企画した研究会。
実験関係の講演者も多く話しにくかったですが、何とか我々の行っている
研究の現状について、お伝えできたかと思います。
会場はつくば国際会議場でした。
2018年9月9-12日、
Workshop "Discrete Approaches to the Dynamics of Fields and Space-Time"、
世話人、講演
東北大、片平キャンパス、仙台市
"Space-time structure in the Lorentzian type IIB matrix model"
毎年開催している通称「離散研究会」。
今年は綿村さんと浅川さんが中心になって、東北大で開催しました。
仙台市内が街全体でジャズフェスが開かれており、大変な賑わいでした。
個人的には、菊川さんのカイラルゲージ理論の話や西野さんのテンソルネットワーク
の話が特に有意義でした。
講演のファイルは、研究会のホームページからダウンロードできます。
2018年8月28-30日、
研究会「熱場の量子論とその応用」、招待講演
理化学研究所、大河内記念ホール、和光市
"複素ランジュバン法による符号問題の解決とその適用範囲について"
今まで気になっていた熱場研究会に初めて招待されました。
一瀬さん、稲垣さん、大西さん、江尻さん、橘さん、北沢さん、日高さんといった皆さんと
いろいろと議論させていただきました。
所内でやった懇親会では、いっぱい飲めて楽しかったです。
講演のファイルは、研究会のホームページからダウンロードできます。
2018年7月9-13日、
workshop "Matrix Models for
Noncommutative Geometry and String Theory"、世話人、講演
Erwin Schroedinger International Institute for Mathematics and Physics,
University of Vienna, Austria
"Space-time structure in the Lorentzian type IIB matrix model"
ウィーン大学のHarold Steinacker氏、ダブリンのDenjoe O'Connor氏、土屋氏と一緒に
organizeした行列模型関連の研究会。
日本からは川合さん、福間さん、綿村さんご夫妻、佐古さん、
花田さんといった方々が参加しました。
久しぶりにJens Hoppe氏やDenjoeに会えてよかったです。
行列模型の古典解の研究に関連してお招きしたAllen Stern氏とは初対面でしたが、
アメリカ人らしい気さくな方でした。
シュレディンガー研究所は初めて行きましたが、なかなかいいところでした。
ドナウ川ナイトクルーズでは、お酒を飲みながら夕日や夜景が楽しめて最高でした。
またお昼休みを利用して、ベートーベンが過ごしたアパートの展示も見てきました。
講演のファイルは、研究会のホームページからダウンロードできます。
2018年5月28日〜6月29日、
the YITP long-term workshop "New Frontiers in QCD
---Confinement, Phase Transition, Hadrons, and Hadron Interactions"、招待講演
Yukawa Institute for Theoretical Physics, Kyoto University, Kyoto
"Complex Langevin simulation of finite density QCD"
基研で開催された滞在型研究会に招待されました。
複素ランジュバン法を用いた有限密度QCDに関する我々の研究について、
レビューしました。
ハドロンの研究者の方々から、そんな計算ができるようになっているのか、
と驚きをもって受け取っていただけました。
講演のファイルは、研究会のホームページからダウンロードできます。
2018年5月21-24日、
Workshop on "Numerical approaches to holography, quantum gravity and
cosmology"、世話人、講演
Higgs Centre for Theoretical Physics, Edinburgh, UK
"Dynamical generation of 4d space-time in nonperturbative superstring
theory"
David Berenstein, Toby Wisemanと始めたnumerical holography研究会のシリーズ。
これまで
2009年Imperial College(London)、2012年KITP(Santa Barbara),
2015年YITP(Kyoto)
と3年毎にやってきましたが、今回は再びイギリスでの開催です。
David Schaich氏(Bern)が中心になってorganizeしました。
Jack LaihoのDynamical Triangulationに基づく量子重力の話や、
Kostas Skenderisのholographic cosmologyの話など、
関連する話題がいろいろ聞けて有意義でした。ウィスキーも楽しめました。
講演のファイルは、研究会のホームページからダウンロードできます。
数理科学 2018年1月号に記事が載りました。
「時空と超弦理論」 西村 淳
「素粒子物理の現状と展望−標準理論を超えた次なるステージへ−」
という特集の中で、寄稿の依頼を受けて書きました。
超弦理論の研究の現状および時空に対する新しい見方について、一般向けに解説したものです。
こちら
で雑誌の表紙や目次などがご覧いただけます。
2017年
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今年は、京都大学で行われた市民講演会と、グラナダで行われたlatticeの国際会議が、
何といっても印象的でした。
2017年11月13-17日、
the 2nd East Asia Joint Workshop on Fields and Strings、世話人、講演
KEK Theory Center
"Complex Langevin analysis of finite density QCD and nonperturbative
superstring theory"
毎年開催しているKEK理論研究会。
今年はthe 2nd East Asia Joint Workshop on Fields and Stringsとして
開催しました。中国、韓国、台湾、日本で持ち回りで行うこの国際会議。
今回は世話人として、かなり忙しかったです。
2017年9月19-23日、International workshop on "Discrete Approaches to the Dynamics of Fields and Space-Time"、世話人、講演
Asia Pacific Center for Theoretical Physics (APCTP), 浦項工科大学、韓国
"New developments in finite density QCD calculations by the complex
Langevin method"
毎年開催している「離散的手法による場と時空のダイナミクス」研究会。
今年は初めて海外で開くことになりました。
トラペ(ppt file, 6MB)のダウンロード
Hyun Seok Yangさん、Hyeonjoon Shinさん、Jeong-Hyuck Parkさん、
Kyung Kiu Kimさん、Chanyong Parkさんといった韓国の皆さんと有意義な時間を過ごせました。
2017年9月4-6日、
International Workshop on "Noncommutative geometry, Duality and Quantum
Gravity"、招待講演
京都大学、北部キャンパス、理学研究科セミナーハウス、京都
"Does the IKKT matrix model determine the space-time dimensionality?"
吉田健太郎さんがポーランドの人たちと行っている2国間交流プロジェクトのキックオフ研究会。
Harold Steinacker, Richard Szabo, Chong-Sun Chu各氏も参加し、有意義な議論ができました。
物理の雑誌「パリティ」 2017年8月号に記事が載りました。
「IKKT(石橋-川合-北澤-土屋)行列模型」 西村 淳
コラム:メイドインジャパン物理用語 素粒子・原子核編の記事として
寄稿の依頼を受けて書きました。
超弦理論の非摂動的定式化として提案されたIKKT行列模型を、
一般向けに解説したものです。
こちら
で雑誌の表紙や目次などがご覧いただけます。
6月18日-6月24日 LATTICE2017、一般講演
グラナダ、スペイン
"Unification of the complex Langevin method and the Lefschetz thimble
method"
毎年開催されているLATTICEの国際会議。久しぶりに出席しました。
共同研究者の島崎信二さん、伊藤祐太さん、筒井翔一朗さんも講演をし、
我々の研究成果を世界に発信することができました。
Alhambra宮殿、Albaycinの散策、Sacromonteでのフラメンコ・ショー
など、忘れられない思い出もできました。
2017年4月8日(土)、最先端物理の市民講演会
「時空は何でできているのか〜ホログラフィー原理からの展望」、講演、
京都大学 基礎物理学研究所
「スパコンで探る宇宙の創成」
同じ京大基研で4月3日〜7日に行われた国際研究会
"Quantum Gravity, String Theory and Holography"
の後、行われた市民講演会で講演をさせていただきました。
大栗博司さん、橋本幸士さんと私の3人が、それぞれ30分ずつ話しました。
講演の後、「研究者と時空を共有しよう」のコーナーでは、来場者の皆さん一人一人と直接
お話しができて、楽しかったです。
トラペ(ppt file, 5.2MB)のダウンロード
ポスターはここから
ダウンロードできます。
2017年2月16-17日、
素粒子・原子核・宇宙「京からポスト京に向けて」シンポジウム、講演
筑波大学東京キャンパス文京校舎、東京
「超弦理論の数値的研究の現状と展望」
ポスト京の重点課題9「宇宙の基本法則と進化の解明」に関連して年一回開催されるシンポジウム。
私はその中で、サブ課題A「究極の自然法則と宇宙開闢の解明」に関連した講演をしました。
シンポジウムのプログラムと講演のスライドは
ここから
ダウンロードできます。
2016年
コメント
今年は、第9回木村利栄理論物理学賞を受賞できたことが、大変ありがたいことでした。
これまで以上に、研究に励んでいきたいと思っております。
また今年は、2回の海外出張(英国、台湾)と、9月の連続3出張(静岡、宮崎、新潟)など、
結構、東奔西走したように思います。
2016年11月25-26日、国際ワークショップ、招待講演
National Taiwan University, 台北、台湾
``Solving the sign problem by the complex Langevin method''
国立台湾大と京大が提携して、定期的に開催している国際ワークショップ。
ホストのHeng-Yu Chen氏が、毎晩おいしい台湾&中華料理のお店に連れていってくれました。
京大のY君の強いリクエストで、6人でカラオケにも行きました。
台湾に行くのは初めてだったのですが、とても快適に過ごせました。
2016年9月26-28日、Japanese-German seminar
``Phase Structure of Lattice Field Theories''、招待講演
新潟大学 駅南キャンパスときめいと、新潟
``Recent developments in the complex Langevin method''
3年に一度開かれる「日独セミナー」に、招待していただきました。
今年の開催地は新潟。懇親会では日本酒の利き酒をするなど、新潟ならではの企画も。
格子QCDの数値シミュレーションに関する研究会で、参加者の多くはもちろん、ドイツ人と日本人。
Jacques Blochさん(ドイツ在住のベルギー人)とは、昨年夏の京都以来、久しぶりに会いました。
Denes Sextyさん(ハンガリー人)とも、昨年の2月以来です。とても有意義でした。
帰りの新幹線では、ヨーロッパから来た5人の人たちとボックス席を作って、
駅で買った笹だんごを一緒に食べました。
講演のファイルは、
研究会のホームページ
からダウンロードできます。
2016年9月21-24日、日本物理学会2016年秋季大会
素粒子論領域、理論核物理領域、合同企画講演
宮崎大学木花キャンパス、宮崎
「複素ランジュバン法による符号問題の解決に向けた新たな進展」
学会で、素粒子と核物理の2領域合同の企画講演を依頼されました。
有限密度QCDの格子シミュレーションで起こる符号問題に関するもので、
今、もっとも話題になっているテーマの一つです。
講演は3日目の9月23日に行いました。多くの方々が聞きにきてくださり、うれしかったです。
特に講演中、宇宙の中村卓史さんが熱心に質問してくださったのが、印象的でした。
このテーマが、幅広い分野の人たちの関心を引きつけていることを実感できました。
2016年9月16日-19日 「離散的手法による場と時空のダイナミクス」研究会2016、世話人、講演
静岡労政会館
「複素ランジュバン法の正当化と正しい収束のための条件」
毎年場所を変えながら開催される研究会。今回は岡山で行われた前回の研究会に引き続き6回目。
静岡大の土屋麻人さんが中心になって、企画されました。
私の講演は、昨年から取り組んでいる複素ランジュバン法の研究に関するものです。
トラペ(ppt file, 7.9MB)のダウンロード
トポロジカル相転移などの物性の話題や、量子重力の構成的定義の話など、
幅広いテーマについて議論しました。次回(2017年)は、本研究会初の海外、韓国ポハンで開催予定。
2016年6月27-30日、国際ワークショップ
``Holography, conformal field theories, and lattice''、招待講演
Higgs Centre for Theoretical Physics, エジンバラ, イギリス
``Direct test of the gauge/gravity duality for the D0-brane system at
finite N''
ラージNゲージ理論、ホログラフィー原理、曲がった時空上の場の理論、複合ヒッグス模型など、
幅広い話題について議論することができました。
Adi Armoni、Marga Garcia、Tony Gonzalez-Arroyoと夕食に行きました。
ワークショップのホームページは
ここです。
日本物理学会誌2016年6月号に私たちの記事が載りました。
「ブラックホールに対するホログラフィック原理の数値的検証」
伊敷吾郎、西村淳、花田政範、百武慶文
「最近の研究から」の記事として寄稿の依頼を受けて書きました。
2014年にScience誌に載った内容を、日本語で解説しました。
2016年3月30-31日、「京からポスト京に向けて」シンポジウム、講演
ワテラス・コモンホール、東京、淡路町
「超対称性を持つゲージ理論、行列模型の数値シミュレーションで探る時空のダイナミクス」
ポスト京の重点課題9「宇宙の基本法則と進化の解明」に関連して年一回開催されるシンポジウム。
私はその中で、サブ課題A「究極の自然法則と宇宙開闢の解明」に関連した講演をしました。
シンポジウムのプログラムと講演のスライドは
ここからダウンロードできます。
2016年1月20日, 第9回木村利栄理論物理学賞受賞記念講演
京都大学基礎物理学研究所
「数値シミュレーションによる超対称ゲージ理論の非摂動的研究とゲージ/重力対応」
第9回木村利栄理論物理学賞を花田政範さんと共同で受賞いたしました。
九後太一さん、佐々木節さん、青木愼也さんのスピーチの後、授賞式があり、
10分の休憩の後、記念講演ということで一時間ほど講演をさせていただきました。
リラックスした雰囲気の中、かなり突っ込んだ質問もあり、よかったと思います。
講演のスライドは木村利栄理論物理学賞のホームページからダウンロードできます。
2015年
コメント
今年は2月にKEKで行った文献紹介をきっかけに、有限密度QCDに関連した研究を始めることが
できました。また、行列模型に関する研究に関連して、
「曲がった時空のミステリー〜新時代の相対性理論と時空の物理学〜」
の中で記事を書かせていただきました。
アインシュタインが一般相対性理論を提唱したから100年の節目を記念した特集号で、
佐藤勝彦さん、小玉英雄さん、川合光さんも執筆されています。
数理科学 2015年12月号に記事が載りました。
「スーパーコンピュータで解明する宇宙の始まり」 西村 淳
特集:「曲がった時空のミステリー」〜新時代の相対性理論と時空の物理学〜
の記事として寄稿の依頼を受けて書きました。
超弦理論の非摂動的定式化として提案されたIKKT行列模型の数値計算の結果を、
一般向けに解説したものです。
こちら
で雑誌の表紙や目次などがご覧いただけます。
2015年9月14日-18日 「離散的手法による場と時空のダイナミクス」研究会2015、世話人、講演
岡山衛生会館
「複素ランジュバン法におけるゲージ・クーリングの一般化とその応用」
毎年場所を変えながら開催される研究会。今回は慶応で行われた前回の研究会に引き続き5回目。
岡山光量子研の杉野文彦さんが中心になって、企画されました。
私の講演は、有限密度QCDの数値シミュレーションのための新しいアイディアに関するものです。
トラペ(ppt file, 5.5MB)のダウンロード
tensor networkの話や、量子計算や物性に関連した話など、幅広いテーマの話が聞けました。
次回(2016年)は土屋麻人さんが中心になって、静岡で開催することが決定しました。
研究会の様子は
こちらをご覧ください。
2015年7月21日-24日 国際ワークショップ
"Numerical approaches to the holographic principle,
quantum gravity and cosmology"、世話人
京都大学基礎物理学研究所
2009年Imperial College、2012年KITP, Santa Barbaraに続き、3回目となる国際研究会。
Toby Wiseman(Imperial College)とDavid Berenstein(UCSB)と一緒に始めたのが6年前。
「ゲージ/重力対応+数値計算」という新しい分野が、ずいぶん発展してきました。
今回は青木さん、伊敷吾郎さん、花田政範さんも加わって、6人の世話人で京都にて開催しました。
40名の参加者のうち半分は外国人という、とても国際色の強い研究会となりました。
研究会の様子は
こちら
をご覧ください。
2015年5月13日, 東京大学本郷キャンパス、QCD club、セミナー
Theoretical understanding of the problem with a singular drift term in
the complex Langevin method
原子核理論のグループが定期的に開催しているQCD clubに講師として招かれました。
今年に入ってからやってきた複素ランジュバン法に関する研究について話しました。
2時間の話でしたが、皆さん興味を持って聞いてくれたように思います。
トラペ
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2014年
コメント
今年は何といっても、我々の論文がScienceに掲載されたことが
一番の大きな出来事でした。
この論文で発表した結果は、4年間の試行錯誤の末に出したものなので、
感慨深いものがあります。
日経サイエンス 2014年11月号の記事に協力しました。
特集:新説 宇宙の起源、「超弦理論が明かす宇宙の起源」
中島林彦(編集部) 協力:西村 淳
日経サイエンス編集部の中島さんに協力しました。
日経サイエンス別冊「ヒッグスを超えて〜ポスト標準理論の素粒子物理学」
(2014年12月17日発売)に再録されています。
こちら
で中身が少しご覧いただけます。
9月12日-15日 研究会「離散的手法による場と時空のダイナミクス」、世話人、講演
慶應義塾大学日吉キャンパス 来往舎2階 大会議室
「量子ブラックホールのホログラム的記述の数値的検証」
2010年京大基研、2012年理研、2013年KEKに続き、4回目となる研究会。
今回は松浦壮さんが中心になって慶応で開催しました。
日吉キャンパスは初めて来ましたが、とてもおしゃれだと思いました。
次回(2015年)は杉野文彦さんが中心になって、岡山で開催することが決定しました。
トラペ
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5月21日 日大セミナー
「量子ブラックホールのホログラム的記述の数値的検証」
4年ぶりに日大でセミナーをさせていただきました。
KEKのホームページで、Scienceに掲載された我々の論文の話が紹介されているのを見て、
セミナーに招いてくださったそうです。
話してみて4年間で随分、自分たちの研究が進展したことを感じました。
導入を長めに、というご依頼だったので、前半は易しい話にし、後半を専門的な話にしました。
質問をたくさんしていただき、よかったと思います。
トラペ
(ppt file, 1.4MB)
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5月7日 サイエンス・ポータルで私たちの研究が紹介されました。
「ブラックホール新理論を計算機で検証」
我々の論文"Holographic Description of a Quantum Black Hole on a Computer"
の内容が、科学技術振興機構(JST)の「サイエンス・ポータル」で5月7日に紹介されました。
こちら
をご覧ください。
一般の方々にも興味深く読んでいただける文章で、内容が的確に伝えられています。
一時期、このサイトで最もアクセスの多い記事となっていました。
すばらしい記事を書いてくださった小川さんに感謝です。
4月23日 プレスリリース資料
「ブラックホールを記述する新理論をコンピュータで検証」
表記のタイトルで
プレスリリース
を行いました。
PowerPointファイルを、発表の際の音声つきで閲覧できます。
音声つきトラペ
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音声なしのトラペ
(ppt file, 500kB)
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2013年
コメント
今年はコペンハーゲンとギリシャに行き、外国人の友人たちとも親交を深めることができました。
研究の方も、国際的に盛り上げていこうと思います。
12月10日 Nature Newsで私たちの研究が紹介されました。
"Simulations back up theory that Universe is a hologram"
我々の論文"Holographic Description of a Quantum Black Hole on a Computer"
の内容を、Natureの記者Ron Cowen氏が紹介してくださいました。
こちら
をご覧ください。
12月10日に公開された記事でしたが、あっという間に2013年Nature Newsで最も読まれた記事
となり、我々も驚きました。
ただ、この記事を元にして世界中に広がった報道の中には、誤解を招く書き方が散見されました。
論文がacceptされてから、ちゃんとしたプレスリリースをすべきだと思いました。
9月27日-30日 KEK研究会「離散的手法による場と時空のダイナミクス」、世話人、講演
KEK、4号館セミナーホール
「ローレンツ型IIB行列模型における宇宙膨張の数値的研究」
2010年京大基研、2012年理研に続き、3回目となる研究会。
今回は私が中心になってKEKで開催することになりました。
また今回は、計算基礎科学連携拠点およびHPCI戦略プログラム分野5が共催となり、
サポートしてくださいました。研究会の様子は
こちら
をご覧ください。
サポートのおかげもあって、参加者はこれまでで最多の50人となりました。
格子ゲージ理論、超対称ゲージ理論の数値シミュレーションに関する話、
量子重力や弦理論の非摂動的定式化に関する話など、様々な話題が活発に議論されました。
次回(2014年)は松浦さんが中心になって、慶応大で開催することが決定しました。
トラペ
(ppt file, 2.4MB)
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9月8日-9月15日 Corfu Summer Institute
「Workshop on Noncommutative Field Theory and Gravity」、招待講演
コルフ、ギリシャ
"Recent developments in the type IIB matrix model"
ここ数年、毎年行われているCorfu Summer Institute(コルフ夏の学校)の中のプログラム。
非可換幾何というキーワードのもと、弦理論や行列模型の研究者も含め、100人近い人々が集まりました。
日本からも、10名以上の方々(綿村哲さん、川合光さん、土屋麻人さん、青木一さん、花田政範さん、黒木経秀さん他)が参加し、
この業界における日本人の貢献の大きさを実感しました。
またHarold SteinackerやKostas Anagnostopoulosといった人たちとは、
今後の共同研究につながるような、有意義な議論ができました。
ギリシャへは、2002年のクレタ以来、11年ぶりです。
トラペ
(ppt file, 3.5MB)
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8月12日-8月16日 Niels Bohr Institute
「Current Themes in High Energy Physics and Cosmology」、招待講演
Nies Bohr Institute、コペンハーゲン、デンマーク。
「Recent developments in Monte Carlo studies of superstring theory」
5年ぶりにコペンハーゲンに行ってきました。研究会では
宇宙論、現象論、超対称性、ゲージ/重力対応など、多岐にわたるテーマが議論されました。
トリを務めることになったので、最後まで気が抜けませんでした。
ニールスボーア以来の歴史がある古い建物は数年後に閉鎖され、新しい建物へ移転する、
という話を聞きました。移転前に行けてよかったです。
トラペ
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5月24日 物理の雑誌「パリティ」に記事が載りました。
「微視的な9次元空間から3次元の膨張宇宙へ〜
超弦理論の数値シミュレーションが示唆する宇宙の誕生」
articlesの記事として寄稿の依頼を受けて書きました。
内容は前回プレスリリースした研究結果を、一般向けに解説したものです。
こちら
で雑誌の表紙や目次などがご覧いただけます。
以前、翻訳記事を書いたことはありましたが、「パリティ」に自分の書いた記事が載るのは
今回が初めてです。
学部生だった頃に何年間か購読していた雑誌なので、感慨深いものがあります。
3月18日-21日 KEK理論研究会、世話人、講演
KEK、研究本館、小林ホール
"Do Inflation and the Big Bang occur in the Lorentzian IIB matrix model?"
今年のKEK理論研究会は、初日に「超弦理論から現象論への新たな展望」と題するセッションが
開かれました。その後は、行列模型やド・ジッター背景上の場の理論、ブラックホールの蒸発など、
様々なテーマが議論されました。
詳細は研究会のホームページ
をご覧ください。
講演のトラぺはここからダウンロードできます。
2月8日 東工大、セミナー
「ローレンツ型IIB行列模型に基づく初期宇宙の研究」
伊藤克司さん、今村洋介さんから有益なコメントがたくさんもらえ有意義でした。
院生の方々にも興味を持って聞いていただけたようです。
お昼においしい定食屋さんに連れていっていただきました。
トラペ
(ppt file, 2.2MB)
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2012年
コメント
サンタバーバラで2か月の滞在型研究会ができて有意義でした。
ニュートンや日経コンピュータといった雑誌の取材なども受けました。
新宿の朝日カルチャーセンターで行った一般向けの講演は、初めての経験でした。
バンクーバに初めて行けたこともよかったです。
11月2日-11月3日 TRIUMF workshop
「Lattice Field Theory in the LHC Era」、招待講演
TRIUMF、University of British Columbia、バンクーバー、カナダ
"3D out of 9D---the birth of our Universe
from the superstring theory on computer"
Randy LewisとRichard Woloshynがorganizeした研究会。
格子ゲージ理論の人たちが10人ほど集まって、LHC時代に何をすべきか、
ということについて、熱い議論をしました。
話題は、ミューオン異常磁気能率におけるハドロン・ループ補正、
小林・益川行列に関する格子QCD計算、
ヒッグス粒子の物理に関連した数値シミュレーション、超対称性などです。
せっかくバンクーバーに行ったので、
11月5日にはUBCの物理学教室でセミナーをさせてもらいました。
Mark van Raamsdonk, Moshe Rozali, Ian Affleck, Harry Lamといった方々が
興味を持って聞いてくれました。また、滞在中には、MarkやHarryとつっこんだ議論もでき、
有意義でした。
トラペ
(ppt file, 2.2MB)
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10月19日 金沢大セミナー
「超弦理論の数値シミュレーションが描く宇宙誕生の様子〜9次元空間から3次元空間への相転移」
久しぶりに金沢に行ってきました。
金沢大には場の理論と現象論の大きな研究グループがあります。
呼んでいただいたのは3度目になります。質問もたくさん出て、
よかったと思います。飲み会の加賀料理も素晴らしかったです。
トラペ
(ppt file, 2.0MB)
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8月30日-9月2日 理研研究会
「離散的手法による場と時空のダイナミクス」、世話人、講演
理化学研究所、和光本所
「行列模型の数値シミュレーションに基づく初期宇宙の研究」
2年前に京大基研で開かれた研究会の第2弾。今回は理研で開かれました。
行列模型、非可換幾何、格子上の超対称性などにフォーカスした研究会で、
講演中に気軽に質問できる雰囲気がとてもよかったです。
また、首都圏というロケーションの良さのおかげもあって、前回よりも参加者が多く、
若い方からシニアの方まで、幅広い年齢層の方々がいらっしゃったのが印象的でした。
次回は来年9月にKEKで開くことになる予定です。
トラペ
(ppt file, 1.7MB)
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7月28日 一般向け講座シリーズ
「スーパーコンピュータが明かす宇宙と物質の起源」
朝日カルチャーセンター、新宿住友ビル
「超弦理論の数値シミュレーションが描く宇宙誕生の様子〜9次元空間から3次元空間への相転移」
朝日カルチャーセンターから依頼を受け、一般向けの講演(1時間45分)をしてきました。
この朝日カルチャーセンターは、2011年新書大賞に輝いた村山斉さんの本「宇宙は何でできているのか」
のもととなる講演が行われた所です。
「スーパーコンピュータが明かす宇宙と物質の起源」と題する全9回の講座のシリーズで、
前半は素粒子原子核関係のテーマで、初田哲男さん、橋本省二さん、といった方々が講師をされます。
(後半は天体関係。)第一回目が7月14日の初田さんの総括的な講演でしたが、
私の講演はそれ続く第二回目ということで少し緊張しました。
当日は50人くらいの方々で会場がいっぱいになり、皆さんとても熱心に聞いてくださいました。
講演の途中から、かなり突っ込んだ質問がたくさん出るようになり、
一般の方々の宇宙に対する関心の高さを、強く感じました。
トラペ
(pdf file, 1.7MB)
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4月3日-7日 国際会議
「Progress in Quantum Field Theory and String Theory」、招待講演
大阪市立大学、メディアセンター
"(3+1)-dimensional expanding universe from a Lorentzian matrix model
for superstring theory in (9+1) dimensions"
大阪市立大で開かれた国際会議。
場の理論から弦理論に渡る幅広いテーマが議論され、最近の大きな発展が網羅されていました。
外国人たちと一緒に行った遠足の奈良公園もよかったです。
夜は日本や韓国の若手と一緒に飲みに行ったりして、楽しみました。
詳細は国際会議のホームページをご覧ください。
トラペのダウンロード
3月5日-7日 KEK理論研究会、世話人、講演
KEK、研究本館、小林ホール
"Dark energy from a Lorentzian matrix model for superstring theory"
今年のKEK理論研究会は、階層性問題と宇宙項問題というテーマで開催しました。
といっても、これらの問題を、単なる現象論的なモデルで解決しようというのではなく、
プランクスケールの理論に対する手がかりと考えて議論することを目標にしました。
講演者の皆さんも、この研究会の趣旨に賛同してくださったおかげで、
様々な視点から深い議論ができて、大変有意義な研究会になったと思います。
詳細は研究会のホームページ
をご覧ください。
講演のトラぺはここからダウンロードできます。
1月17日-3月9日 KITPプログラム
「Novel Numerical Methods for Strongly Coupled Quantum Field Theory and Quantum
Gravity」、世話人、講演
米国、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、カブリ理論物理学研究所
"(3+1)d Spacetime From Matrix Models"
2か月にわたる滞在型研究会をサンタバーバラで開催しました。
世話人は、David Berenstein, Toby Wiseman, Larry Yaffeと私の4人。
常時20人以上の人が滞在し、特に1/30-2/3のfocus weekでは、30人以上の人が集まりました。
毎日、有意義な議論を自由に行うことができました。
詳細は研究会のホームページ
をご覧ください。
すべての講演は動画もしくはトラペ
として閲覧できます。
1月10日-20日 アジア冬の学校
「Asian Winter School on Strings, Particles and Cosmology」
講師として出席
草津、中沢ヴィレッジ
"Matrix model formulations of superstring theory"
日本、韓国、インド、中国の4ヶ国の持ち回りで行われている冬の学校の第6回目。
今回は総研大とIPMUの共同主催で、北澤良久さんと大栗博司さんが来られていました。
私の他に、Ashoke Sen, Dam Son, Henry Tyeといった方々も講師をされました。
夜のdiscussion sessionでは、講義に関する多くの質問が出てよかったです。
詳細は冬の学校のホームページ
をご覧ください。
トラペはここからダウンロード
できます。
2011年
コメント
2011年は、何と言っても、宇宙誕生の数値シミュレーションに成功したことがよかったです。
年末には2回目のプレスリリースを行いました。
12月22日 プレスリリース「宇宙が3次元で誕生する仕組み、解明へ」
― 40年間未解決だった超弦理論の謎、スパコンで解明 ―
"Expanding (3+1)-dimensional universe from a Lorentzian matrix model
for superstring theory in (9+1)-dimensions"
という論文(pdf file, 140kB)
が、Physical Review Lettersに掲載が決定したことを受けて、
プレスリリース
を行いました。
関連webサイト:
(NHK News WEB、
日本経済新聞、
産経、
日刊工業新聞、
共同通信)
海外のwebサイト:
(Physics World(英国))
12月19-21日 HPCI研究会「計算的手法による素粒子論研究の広がり」
("Expanding the Horizon of Theoretical Particle Physics through
Computational Methods")
KEK小林ホール
"Lattice calculation of the gluino condensate in N=1 super
Yang-Mills theory with overlap fermions"
格子ゲージ理論の人たちとの共同研究に関する成果発表です。
超対称ゲージ理論におけるグルイーノ凝縮に対して、
信用できる結果を得ることに世界で初めて成功しました。
トラペ
(powerpoint file, 1.7MB)
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10月12日 京大理
10月26日 東大駒場
11月8日 名大KMI(素粒子宇宙起源研究機構)
12月5日 東大本郷
"Expanding (3+1)-dimensional universe from a Lorentzian matrix model
for superstring theory in (9+1)-dimensions"(京大、東大本郷)
トラペ
(powerpoint file, 1.9MB)
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"Direct test of the gauge-gravity correspondence
for Matrix theory correlation functions"(東大駒場、名大)
トラペ
(powerpoint file, 3.7MB)
のダウンロード
8月に出した2本の論文について、セミナーの依頼を受けました。
精魂込めて書いた論文に対して、こうした反響があるのは、うれしい限りです。
3月7日-11日 第3回HOPEミーティング
益川敏英先生のメンターとして出席
東京、グランドプリンスホテル新高輪
第3回HOPEミーティング
において、講演者として参加された益川敏英先生のメンターを務めました。
HOPEミーティングとは、日本学術振興会が実施している「アジア科学技術コミュニティ形成戦略」
の一環として、先端科学分野におけるアジア若手研究リーダーの育成と相互のネットワーク構築を目的に
開催している国際会議です。アジア十数カ国・地域から選抜された約100名の博士課程大学院生が
ノーベル賞受賞者や他の参加者達と、寝食を共にする合宿形式の会議を、これまで2回開催しております。
メンターは、ノーベル賞受賞者等の講演者と、参加する大学院生との間を橋渡す役を果たします。
具体的には
1)益川先生の講演における質疑応答の進行(3月8日午前)
2)グループ・ディスカッションにおける進行(3月8日午後)
と担当しました。
素粒子関係では、IPMUの杉本茂樹さん、理研の橋本幸士さんが、それぞれ
小林誠先生、David J.Gross先生のメンターを担当しました。
1月31日 KEK大型シミュレーション研究シンポジウム
「KEK大型シミュレーション研究の5年間と今後」、招待講演
KEK小林ホール
"Supersymmetry, strings and black holes"
KEKのスパコンのシャットダウンを記念して開かれたシンポジウム。
2006年から運用しているシステム(日立SR11000および IBM System Blue Gene Solution)
が、5年間の任務を全うしたことを皆でお祝いしました。
ぼくも2007年にSR11000を使って行った研究でプレスリリースも行いましたし、
KEK大型シミュレーション研究に貢献したということで、話をさせていただきました。
詳細はシンポジウム
のホームページをご覧ください。
トラペ
(powerpoint file, 1.8MB)
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2010年
コメント
2010年度は、基研で研究会が開けたこと、アメリカのラージNのコミュニティーと
良い関係を築くことができたことが、自分にとってよかったと思います。
これからも分野的に近いことをやっている人たちとのつながりを大切にして、
研究を盛り上げていきたいと思います。
9月27日-10月1日 基礎物理学研究所、研究会
「離散的手法による場と時空のダイナミクス」、世話人、講演
京都大学基礎物理学研究所
"Space-time picture suggested by the IIB
matrix model"
京大基研の笹倉直樹さん、北大の河本昇さん他の皆さんと一緒に企画した研究会。
離散的時空という切口で、格子超対称性、行列模型、非可換幾何、格子重力
といったテーマを研究している人たちを集めました。
参加者25人程度でこじんまりとしていましたが、お互いにうまくコミュニケーションがとれて、
大変有意義な研究会になりました。
詳細はワークショップ
のホームページをご覧ください。
トラペ
(powerpoint file, 3.3MB)
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5月13日-15日 MCFP workshop on Large-N gauge theories、招待講演
University of Maryland, College Park、アメリカ
"Large-N reduction and supersymmetry"
久し振りにアメリカに行ってきました。
最近、QCDの分野で「ラージNゲージ理論」がリバイブしており、
それに関連した人たちが集まるユニークな研究会でした。
Herbert NeubergerやMisha Shifmanといった大御所の他、
KarabaliとNairのご夫妻、Mithat UnsalやTom Cohenといった
人達に会えて、たいへん有意義でした。
食事はエスニックがいろいろあり、アメリカとは思えない程おいしかったです。
詳細はワークショップ
のホームページをご覧ください。
トラペ
(powerpoint file, 1.0MB)
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4月20日 立教大物理コロキウム、6月2日 日大理工学部セミナー
"Precision test of the gauge/gravity duality from first principles"(立教大)
「超弦理論の数値シミュレーション及びその最近の発展について」(日大)
別冊数理科学に記事を書いたからでしょうか、新年度早々、都内の私立大2箇所でセミナーを頼まれました。
スタッフの方々からたくさんの質問をいただき、楽しくやらせていただきました。
2月8-12日、IPMU focus week "Condensed Matter Physics meets
High Energy Physics"、招待講演
数物連携宇宙研究機構(IPMU)、東京大学柏の葉キャンパス、柏市
"Precision test of the gauge/gravity duality from first principles"
2008年9月のIPMU focus week以来一年半で、再びIPMUで話す機会をいただきました。
話は前回の続きですが、その後の展開も含め、PRLに載った6本の論文をまとめて紹介しました。
物性と素粒子を「ゲージ/重力対応」で結ぶという趣旨の研究会ですから、
物性の人たちも半分いて、彼らに伝わるよう努力しました。
素粒子側ではSean Hartnoll, Dam Son, Hong Liuの話が面白かったです。
物性の話は全て新鮮に感じられましたが、特にXiao-Gang Wenの話は、動機に共感が持て、
興味深く思いました。
詳細はワークショップ
のホームページをご覧ください。
トラペ
(powerpoint file, 1.0MB)
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2009年
コメント
2009年度は、何と言っても北京とロンドンに行けてよかったです。
特に、海外の人たちと研究会を企画できたことは、とても良い経験になりました。
これからも盛り上げていければと思います。
9月28日-10月2日 国際ワークショップ
"Numerical Approaches to AdS/CFT,
Large N and Gravity"、組織委員、招待講演
Imperial College、ロンドン、イギリス
"Does 4d space-time emerge dynamically from the
IKKT matrix model ?"
Toby Wiseman(ロンドン帝国大学)と
David Berenstein(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)と
3人で企画した国際ワークショップ。
超対称性、ラージN、重力という3つの異なるテーマの研究者を、
数値的なアプローチという切り口で集めてみました。
20人程度の招待講演者だけからなるユニークな研究会でしたが、
講演中にたくさん質問が出て、議論まで始まっちゃうという、
リラックスした良い研究会になりました。
これから格子ゲージ理論に匹敵するような大きな分野に育て上げるぞ、
という意気込みで企画しました。
詳細はワークショップ
のホームページをご覧ください。
トラペ
(powerpoint file, 1.1MB)
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基調講演
トラペ(powerpoint file, 100kB)
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9月10日-13日 日本物理学会2009年秋季大会、招待講演
甲南大学岡本キャンパス
「超弦理論の数値シミュレーション」
学会での招待講演は昨年の3月にもしましたが、今回は、素核合同シンポジウム
「数値的手法による場の理論研究の発展」の中での講演。
木下さんのQEDの摂動計算に始まり、格子ゲージ理論の話の後、トリを務めました。
多少マニアックなシンポジウムだったのか、残念ながら人の集まりが悪く、
今ひとつ盛り上がりませんでした。前の講演も、その前の講演もほとんど
質問が出ず、本当にどうしようかと思っちゃいました。
こういうときは、かえって緊張するんですよね。
何を言っても白けちゃうような気がして。。。
幸いぼくの講演の後は、気の効いた質問がいくつか出たので多少救われましたが。
その後、前半の座長を務められた川合光さんたちと、三の宮に飲みにいきました。
トラペ
(powerpoint file, 1.6MB)
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7月26日-31日LATTICE2009、招待講演
中国、北京大学
``Non-lattice simulation of supersymmetric gauge theories
as a probe to quantum black holes and strings''
毎年開催されている格子ゲージ理論の国際会議。
プレナリートークの依頼を受けて、2年ぶりに参加しました。
LATTICEでのプレナリートークは、2003年のつくば以来6年ぶり。
講演では、超対称ゲージ理論のシミュレーションによって得られた
ブラックホールや弦理論に対する知見をまとめて紹介しました。
格子ゲージ理論の人たちの会議では多少異端(?)の話題でしたが、
リラックスして話ができました。万里の長城や紫禁城にも行ってきました。
ストリングをやっているBin Chen氏が、組織委員会のメンバーたちと一緒に
連れていってくれた中国料理の店が最高においしかった。
その後、日本の人たちを連れて2回も通ってしまった。それから最後の夜に、
河本夫妻たちと紫禁城の後に行った北京ダックの老舗も感動的でした。
トラペ(powerpoint file, 2.2MB)
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2月23日 シンポジウム「大規模計算が切り拓く基礎科学の将来」、招待講演
つくば国際会議場、つくば市
「超弦理論で時空の謎をさぐる」
KEK、国立天文台(自然科学研究機構)、筑波大(計算科学研究センター)で
計算基礎科学連携拠点を形成しました。
また青木慎也さんが研究代表者となっている科研費(新学術領域)がスタートします。
ということで、このシンポジウムが開かれました。
素粒子、原子核、天文、宇宙の連携の重要性が再確認されたシンポジウムだったと思います。
佐藤勝彦さんの基調講演では、宇宙物理学の視点から、シミュレーション研究に対する
期待が語られました。超弦理論のシミュレーション研究にも、ずいぶん時間を割いてくださいました。
最初に、我々のブラックホールの研究を紹介してくださり、今後の課題として
宇宙の創生、インフレーション、ランドスケープ問題などについて、説明されました。
スライドはシンポジウムのホームページ
にあります。
トラペ(powerpoint file, 2.2MB)
のダウンロード
1月23-25日 国際ワークショップ "Black Holes and Quantum Physics"、招待講演
Perimeter Institute, Waterloo, Canada
"Schwarzschild Radius and Black Hole Thermodynamics with
Corrections from Simulations of SUSY Matrix Quantum Mechanics"
初めてカナダのPerimeter Instituteに行ってきました。
日中気温がマイナス10度ということで、帽子や手袋など防寒具をしっかり準備しました。
企業の出資で10年ほど前に田舎町に作られた研究所は、なかなかユニークでした。
一つしかない建物は開放的で、まんなかに大きな吹抜けがあり、サロンの冷蔵庫には自由に飲める
缶ジュースが積み上げられています。(カナダドライばっかりでしたが。)
そして、その横にはビリヤードや卓球に興じる人達がいます。
同じ建物にLee SmolinやRob Myersなど有名な人達もいますが、若い人が多いです。
研究会にはPrincetonからHerman Verlindeが車で来ていました。
その名もBlack hole bistroというレストランでの食事は、とてもおいしかったです。
アメリカに比べて食事がおいしいのは、やはりフランスの影響ではないか、ということです。
Samir Mathurのfuzzballの話や、ブラックホールのinformation paradoxに関連した話が
たくさん聞けて、有意義でした。ありそうで、あんまりないタイプのワークショップでした。
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1月7,8日 近畿大学集中講義(学部3,4年生対象)
近畿大学本部キャンパス、東大阪市
「ゲージ/重力対応とブラックホールの熱力学の微視的起源」
「超対称行列量子力学のシミュレーションの実際」
ということで、2日にわたり話してきました。
近畿大学には昨年3月の学会で行ったので、2回目になります。
駒場の素粒子論出身で、量子場脳理論の研究などで知られる松居哲生さんから、
宇宙に興味を持つ学生さんたちに量子重力の雰囲気を伝えたい、
ということで昨年末に依頼を受けました。
太田信義さんも参加してくださいました。
7日の夜には研究室の新年会にお招きいただき、学生さんたちの作ったお鍋をご馳走になりました。
和気あいあいとした、いい雰囲気の研究室だと思いました。
2008年
コメント
2008年度は、超弦理論のシミュレーションによるブラックホールの研究について、
いろいろなところで話す機会をいただきました。
研究面でも、三輪光嗣さんや百武慶文さんと共同研究ができ、大きく進展しました。
また学部同期の土屋麻人さんとも、久し振りに共同研究を始めることができました。
この研究には、土屋さんの学生だった伊敷吾郎さんと、今年CQUeESTで知り合ったSang-Woo Kimさんも
加わっています。これら3つの研究成果が、いずれもPRLに掲載されるという快挙となりました。
素粒子理論の分野としても、LHCの稼働開始やノーベル賞受賞など、大いに盛り上がりました。
12月9日 広島大学KEK連携授業「高エネルギー物理学特論」(学部3,4年生対象の講義)
広大、東広島キャンパス、東広島市
「スーパーコンピュータで探る超弦理論」
KEKの岡田安弘さんから、かねがね聞いていた、広大とKEKの連携授業。
学部同期の志垣賢太さん(原子核実験)が世話人をやっていて、頼まれました。
杉山直さんや青木慎也さんも、それぞれの分野を代表して話されるようなので、
快く引き受けさせていただきました。
広大に行くのは初めてでしたが、結構遠く感じました。
学部生の皆さんには少し難しいテーマだったかもしれませんが、
(一緒に聴講してくれた原子核実験のM1の方々には、ちょうどよかったでしょうか。)
研究の盛り上がり位は伝わったと期待しています。
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前日には素粒子理論研究室でセミナーをさせていただきました。
お昼休みに両角卓也さんがキャンパスの中を案内してくれ、
情報メディア教育研究センターの中村純さんや稲垣知宏さんにも会えました。
晩に連れていってもらった、広島風お好み焼きがとてもおいしかった。
11月24-28日 国際ワークショップ"Lattice Supersymmetry and Beyond"、招待講演
The Niels Bohr International Academy、Copenhagen
``Schwarzschild Radius and Black Hole Thermodynamics with
alpha' Corrections from Simulations of SUSY Matrix Quantum Mechanics''
7年振りにCopenhagenに行ってきました。3年間暮していたので、すべてが懐しく感じました。
講演者9人中5人が日本人(河本、西村、松浦、鈴木、杉野)ということで、
この分野における日本人の活躍ぶりがうかがわれます。
スライドは研究会のホームページにあります。
毎晩バーのようなところに行き、Carlsbergなどのおいしいビールを飲みました。
Simon Catterallとも久し振りに議論ができました。
lattice SUSYの現状が概観できて有意義でした。
11月1日 理研集中セミナー「シミュレーションが拓くゲージ理論の新しい発展」、招待講演
理化学研究所大河内記念ホール、和光市
``Simulating Superstrings inside a Black Hole''
共形場の理論、超対称ゲージ理論、large-Nに関連したシミュレーションがテーマの珍しい(?)研究会。
理研の金森逸作さんが企画してくれました。今後、こういう研究会が増えると期待しています。
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9月12日-16日 IPMU focus week "Quantum Black Holes"、招待講演
東京大学数物連携宇宙研究機構(IPMU)、東大柏キャンパス
``Simulating Quantum Black Holes and Quantum Universe''
昨年の秋にできた新しい研究所、IPMUに初めて行ってきました。
宇宙線研と同じ敷地にあって、IPMUの建物ができるのは来年の秋になるとの事。
最近のシミュレーションの結果について話しました。スライドは研究会のホームページにあります。
世話人の大栗博司さんと飯塚則裕さんに喜んでいただけてよかったです。
あと、ぼくがGauss展開法や行列量子力学の研究を始めるきっかけを与えてくれたDan Kabat
に初めて会うことができました。懇親会などで話すことができて、大変有意義でした。
4月28日、30日 CQUeST、集中講義
韓国、ソウル、西江大(Sogang Univ.)
``Pedagogical lectures on Monte Carlo simulation
and its applications to matrix models''
韓国、CQUeSTにて、モンテカルロ・シミュレーションに関する入門的な講義を
行ってきました。心をこめて準備した甲斐あって、熱心に聞いてもらえました。
講義では、行列模型への応用に焦点を当てて、モンテカルロの基礎から、最先端の
超対称理論のシミュレーションの為のテクニックまで、わかりやすく解説しました。
実は、「格子ゲージ理論」のシミュレーションよりもシンプルなので、
初めての人にもとっつきやすかったと思います。
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4月25日-26日 CQUeST workshop、招待講演
韓国、ソウル、西江大(Sogang Univ.)
``Black hole thermodynamics
from strongly coupled gauge theory
--- a direct check by Monte Carlo simulation''
韓国に行ってきました。西江大は初めてでしたが、カトリックの私大らしく、
キャンパスが華やかな印象でした。アットホームな雰囲気のworkshopで、
気軽に質問をしてもらえてよかったです。Seoul National Univ.にも、
セミナーに行ってきました。
4月18日 KEK、金茶会
``スパコンで探る超弦理論''
2007年6月から、素核研内で行われている様々な研究を、
所員がお互いに理解するための場として設けられた
「金茶会」。
最近
プレス
リリース
された
ブラック
ホールの内部構造に関する研究
を含め、
超弦理論研究の現状をご紹介しました。
100人くらいのオーディエンスのうち半分くらいが実験の方々なので、
いつもとは違う雰囲気でした。
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3月22日-26日 日本物理学会第63回年次大会、招待講演
近畿大学本部キャンパス
``ゲージ/重力対応の直接検証と
ブラックホールの弦理論的記述''
学会での招待講演は久しぶりでしたが、行列模型のシミュレーションを中心に、
ゲージ/重力対応の検証、ブラックホールの熱力学の微視的理解、
超弦理論の非摂動研究、特に4次元時空の力学的生成に向けての取り組みについて
お話しました。超弦理論に対する数値的アプローチの盛り上がりを伝えることが
できたなら、幸いです。
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3月4日-6日 KEK理論ワークショップ2008、招待講演
``行列模型から4次元時空は出るのか?
---ガウス展開法とシミュレーションの進展と展望''
今回は、前後に研究会がたくさんあった為、例年と趣向を変えて、
行列模型にテーマを絞ったワークショップ形式になりました。
行列模型の様々な側面に関するこれまでの発展に関して概観でき、
また、今後どういう問題に取り組むべきか、といった指針が得られるような
研究会になったと思います。夜の部(19:00-20:10)も盛り上がりました。
活発な議論ができて、大変よかったと思います。
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2月15日 理研、2月19日 阪大、4月16日 東大駒場、セミナー
``Black hole thermodynamics
from strongly coupled gauge theory
--- a direct check by Monte Carlo simulation''
セミナーを3箇所で頼まれました。
理研では金森逸作さんと鈴木博さんと超対称ゲージ理論のシミュレーションに関して、
有意義な議論できました。
阪大では一泊して2日間にわたり、土屋麻人さんとゲージ/重力対応に関して、
いろいろな議論ができました。
尾田欣也さんとも加速器におけるミニブラックホール生成について議論でき、有意義でした。
駒場でもセミナーの後、スタッフの方々や三輪君と、ゲージ/重力対応やBFSS模型に
関して議論でき、大変有意義でした。
2月6日 記者懇談会、
KEK国際交流センター
``重力の謎に迫る〜ブラックホール、ストリング、10次元宇宙''
今年の1月15日に
プレス
リリース
した
ブラック
ホールの内部構造に関する研究
について、
記者の方々にご説明いたしました。朝日、読売、日経、中日から、総勢6人の
方々がいらっしゃっていました。
一時間くらいの講演の後、中国料理のお店(李厨房)にて食事をしました。
研究者と違う視点で科学研究をとらえていらっしゃって、とても新鮮な感じがしました。
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2007年
12月7日-10日 The 21st Century COE Program
``Constitution of wide-angle mathematical basis focused on knots''、
招待講演
大阪市立大学、メディアセンター
``A direct confirmation of the gauge/gravity duality
and the string theoretical description of a black hole''
今回はストリング関連の国際会議での招待講演です。
Alvarez-Gaume氏が、ゲージ/重力対応に関連した興味深い話をしました。
ゲージ理論側が弱結合で、重力理論側が強結合、という通常と逆の状況で、
臨界指数が奇妙な一致を示している、とのことです。
あとBerensteinが、やはりゲージ/重力対応に関連して、
6つの可換な行列のシミュレーションの話をしました。
1/2 BPSセクターに属する演算子の相関関数が正しく計算できるそうです。
講演の後、つっこんだ議論ができ、有意義でした。
10月24日 京大、セミナー
``Black hole entropy
from strongly coupled gauge theory
--- a direct check by Monte Carlo simulation''
川合光さんから有益なコメントがたくさんもらえ有意義でした。
一次会の後、佐藤松夫さんがビールのおいしいお店に連れていってくれ、
珍しい輸入ビールを何種類か楽しむことができました。
9月24日-28日 KIAS-YITP合同ワークショップ
``String phenomenology and cosmology''、ポスター発表
京都大学、理学部
``Gauge/gravity duality from first principles''
今回は海外から著名な研究者が大勢来るということで、
ポスター発表を申し込みました。
内容はLATTICE2007で話したものと同じですが、audienceが違うので、
発表のしかたも変えてみました。
特にMatrix理論の提唱者の一人、サスカインドが詳しく聞いてくれ、大変有意義でした。
実は彼の共同研究者の一人、シェンカーが同様のシミュレーションをやろうと
したが、途中で断念したという裏話を聞かせてくれました。
多少ワークショップのメイン・テーマとずれていたにもかかわらず、
専門家から若いポスドクの方々まで、多くの人が熱心に聞いてくれました。
また、基研の寺嶋靖治さんとは随分長い間議論でき、大変有意義でした。
ワークショップの開催期間中、京大理学部でのセミナーを頼まれました。
7月30日-8月4日 LATTICE2007、一般講演
ドイツ、レーゲンスブルグ大学
``Putting M theory on a computer''
毎年開催されている格子ゲージ理論の国際会議。
2003年につくばで開催されて以来、4年ぶりに参加しました。
講演では、M理論を計算機にのせる方法について発表しました。
2月から取り組んできたプロジェクトが半年に渡り順調に進展し、
きちんとした結果を発表に間に合わせることができました。
一般に超対称性を持った理論を計算機で扱うのは困難ですが、
我々は通常の格子に代る新しいシミュレーション法を考案しました。
この方法を用いて、最も高い超対称性(16個の超電荷に対応)を持つ
行列量子力学の
モンテカルロ・シミュレーションに初めて成功し、
ゲージ/重力対応を第一原理から検証することができました。
またこれにより、ブラックホール・エントロピーの微視的理解を
弦理論の立場から与えることができました。
前の講演者Simon Catterallが、関連するトピックについて話し、
会場はかなり盛り上がっていたので、大変話しやすかったです。
3月12日-15日 KEK理論ワークショップ2007、招待講演
``Dynamical aspects of supersymmetric quantum mechanics
at finite temperature''
今回は、ぎりぎりになって計算結果がまとまり、おもしろい話ができたと思います。
共同研究者の方々の協力にも感謝です。
2006年
11月11日-15日 第21回西宮湯川記念シンポジウム
``Noncommutative Geometry and Quantum Spacetime in Physics''、招待講演
``Non-perturbative study of non-commutative U(1) gauge theory''
21回目を迎える西宮湯川記念シンポジウム。今年は西宮市が財政事情悪化のためスポンサー
を降り、基研および21世紀COEをスポンサーとして開かれることになりました。
奇しくも湯川・朝永生誕100周年にこのようなことになろうとは、皮肉なものです。
非可換幾何に関する研究会はこれまでにも何回か開かれていましたが、
私が参加するのは、これが初めてでした。
Balachandran, Grosse, Wessといった業界の大御所に実際に会って話をする事ができ、
大変有意義でした。
個人的には、Perimeter InstituteにいるLaurent Freidelというフランス人の話が
一番興味深かったです。
3次元格子重力理論として知られるPonzano-Regge模型から出発して、
重力場を経路積分してしまった後の有効理論として、
非可換幾何上の場の理論を導く、という話でした。
講演後も何度かつかまえて、しつこく質問したので、何とか概要をつかむことができました。
自分自身の(25+5)分の講演では、
フンボルト大(ベルリン)にいる、Wolfgang Bietenholz,
Jan Volkholz両氏およびKEKのポスドク壽崎君と共同で、2003年秋頃から進めてきた研究
について話しました。思えば論文に辿り着くまで3年間もの年月がかかってしまいました。
私がこれまでに携わったプロジェクトの中でも、最も長くに渡ったものです。
講演後、Balachandran、Grosse, Freidelといった方々と議論する事ができ、有意義でした。
10月30日-11月3日、
日米及び環太平洋地域2006ハワイ素粒子物理学会
(The Joint Meeting of Pacific Region Particle Physics Communities),
シェラトン・ワイキキ・ホテル、ホノルル、ハワイ、一般講演
``Monte Carlo studies of Matrix Theory at finite temperature''
今年は、日本物理学会とアメリカ物理学会、それぞれの素粒子物理領域が、合同で学会を開催しました。
場所は両国の間ということでハワイ。窓から広がる海辺の景色を横目で見ながらの学会、
皆さん、誘惑に耐えるのが大変そうでした。
(25+5)分の講演では、川原直幸さん(KEK)と竹内紳悟さん(総研大)と進めてきた研究について
紹介させていただきました。約半数がアメリカ人ということもあって、
マトリックス理論の話を興味深く聞いてもらえたようです。講演中にはSilversteinや大栗さん
から質問をいただきましたが、質疑応答の時間にはPolchinskiが、1/D展開に関して
8年前にやった
計算について質問してくれました。又、彼のplenary talkでは、私が今回発表した研究について
名指しでコメントしてもらえ、光栄でした。
2005年
コメント
2005年度は指導していた大学院生が、3人同時に博士の学位を取得する
ということで、
けっこう大変でした。
それぞれの人と違うテーマで共同研究をして論文を書きました。
セミナーではお茶大(6/6)、東工大(6/29)、駒場(10/5)に行きました。
また12月にはKEKで初めて冬の学校を開催しました。
弦理論、宇宙論、現象論の3分野に関して、修士課程の院生を対象とした講義が行われました。
総研大が5年一貫制に以降し、夏には初めての院試を行いました。
この為の準備も、いろいろと大変でした。
来年度は学部卒の院生が入ってくるので、グループの雰囲気も一気に若返る事でしょう。
3月14日-17日 KEK理論ワークショップ2005、招待講演
「``Regularizing'' BFSS Matrix Theory」
九大D2でKEKの特別共同利用研究員である川原君と、昨年秋頃から進めている研究
プロジェクトについて話しました。
毎年この時期にKEKで開かれる研究会で、場の理論や弦理論に関する様々な話題を
集めて企画されます。今回は特に、質疑応答の時間ばかりでなく講演の途中でも、
参加者の方々から多くの質問が出され、活気に溢れた研究会となりました。
また研究会終了後には、幅広いテーマに関して突っ込んだ議論ができた、
という感想を、参加者の方々から聞くことができました。
2月17日-19日 京大基研、国際ワークショップ「Frontier of Quantum Physics」
招待講演
``Understanding the mechanism for the spontaneous breakdown
of rotational symmetry in the IIB matrix model''
岡山光量子科学研究所の設立及び所長を務られている二宮さんの還暦のお祝いを兼ねた研究会。
杉野文彦さん(岡山光量子研)と大久保敏之さん(名古屋大)と進めてきたプロジェクトの結果を
まとめて紹介させていただいた。量子物理という広いくくりの中で
いろいろな話題に触れる事ができ、とても有意義だった。
特にP.Hut氏の重力を及ぼし合うN体系の熱力学に関するレビューは、
自分のやっている事とも深い関連が感じられ、興味深く聞いた。
又、福来正孝さんの観測宇宙論に関するレビューは、2003年5月の宇宙線研以来、約2年ぶりに聞いたが、
新しい観測結果も解説され有意義だった。他にも興味深い講演がたくさんあった。
2004年
11月22日 KEK Journal Club,文献紹介
``A geometrical approach to N=2 super Yang-Mills theory
on the two dimensional lattice''
(by Simon Catterall, JHEP 0411:006,2004 [hep-lat/0410052])
KEKの文献紹介はあいうえお順にメンバー全員に回り、一年に一度当ります。
昨年は自分たちの論文を紹介したので、今年は他の人の論文にしてみました。
Simonと私は、量子重力のシミュレーションをやっていた頃からのつきあいで、
その関係でlatticeの国際会議などでよく議論しました。
やはり議論した事のある人の論文は、その人のバックグランドを把握している分、読みやすいです。
この論文では、連続極限において微調整なしに超対称ゲージ理論が得られるような格子理論を
提案しています。論文に書いてあるように、projectionをとる所が微妙なのですが、
topological field theoryのテクニックや
Dirac-Kaeler fermionといったものを駆使して
格子理論を作るので、読めばいろいろと得るものがあると思います。
文献紹介では質問もたくさん出て、分野の違う方々にも興味を持って聞いてもらえたと思います。
10月30日 理研理論集中セミナー
「Dynamics in the Large N limit」招待講演
``Dynamical Generation of Space-Time and Gauge Group in Matrix Models''
昨年6月頃から東武大さん(KEK)、永尾敬一さん(KEK)、Subrata Balさん(理研)と進めてきたプロジェクトの結果を
まとめて紹介させていただいた。飲み会の後、理研の研究室に戻って議論をしたが、気が付いたら
夜が明けていた。。。。。
9月27-30日 日本物理学会2004年秋季大会、高知大学、一般講演
「非可換幾何上のスカラー場理論におけるストライプ相の数値的研究」
今回の学会では自ら登壇者となった上の講演を含め、6つもの発表をしました。
(他の5講演の登壇者は東武大さん(KEK)、永尾敬一さん(KEK)、Subrata Balさん(理研)、
大久保敏之さん(名大)、壽崎義明さん(筑波大)。)
別に狙ったわけではないのですが、これは東工大のS先生と同じ数です。
高知は台風の直撃を受けましたが、幸い私の選んだフライトはその前後にずれていた為、
無事行って帰ることができました。いろいろな人と議論ができ、有意義でした。
6月14-16日 KEK 夏期実習、テーマA-1:「素粒子論入門 - 標準模型から究極の理論へ -」
(内容紹介)
第一線で活躍しているKEKの研究者3人が、素粒子理論の現状を一般向けにわかりやすく解説する。
素粒子の標準模型は、ほとんどすべての高エネルギー実験の結果を矛盾なく説明できる理論だが、
「究極の理論」と呼ぶには多くの問題点を含んでいる。
第一章では素粒子の標準模型について解説し、
標準模型を越える物理を探索するいくつかの試みを紹介する。
第二章では「究極の理論」として1980年代から精力的に研究されてきた超弦理論の
最近の発展を紹介する。
特に行列を用いた定式化により、我々の時空が何故4次元なのか、
といった深遠な問題に迫る。
超弦理論は重力も含めたすべての力を統一的に記述する理論であるが、
量子重力のすべての問題が解決されたわけではない。
第三章では量子重力にどのような未解決問題があり、
超弦理論がそれらの問題にどこまで迫っているのかを解説する。
各章をそれぞれ橋本省二さん、私、夏梅誠さんの3人で担当しました。
テーマA-1を選択した参加者は20名で、
学部3年生からM2までの大学院生、会社に勤ている方も来てくださいました。
皆さん私たちの講義を真剣な眼差しで聞いてくれて、
質問の中にはかなり核心に迫るものもありました。
また女の子が4人も参加してくれた事も嬉しく思いました。
準備する側としては「わかりやすく夢のある講義」を目指しました。
KEKの実験施設の見学や小林益川理論で世界的に有名な小林誠さんの講義もあり、
参加者の方々にとって有意義な3日間であったと思います。
総研大KEK夏期実習では私たちが担当した理論の企画の他に、実験系の企画が
たくさん行われました。
また来年も行われますので、素粒子物理に興味のある方、
是非ご参加ください。
(参加費無料です!)
1月28-30日 KEK 大型シミュレーション研究ワークショップ「ハドロン物理と
格子QCD」招待講演
``Application of the factorization method to
finite density systems''
1月19日-(毎週月曜日) 総研大ドクターコース講義、KEK研究本館
内容についてはこちら
1月8-12日 北大Winter School in ニセコ 招待講演
``Dynamical generation of fuzzy spheres and gauge group
in a matrix model with the Chern-Simons term''
(羊蹄山がきれいだった。。。)
2003年
コメント
2003年は文字通り東奔西走しました。
上に書いた他にはセミナーで茨城大(5/12)、阪大(5/27)、京大(5/28)、
北大(6/19)、東工大(6/23)に行きました。
いろいろなところに呼んでいただけるのは、ありがたいことです。
夏には日本で開かれた国際会議に合わせて、ヨーロッパから三人のコラボレーターが
来てくれました。
ドイツからFrankとWolfgang、ギリシャからKostas。
3人には東京の実家に泊まってもらって、ビデオ片手に
上野、浅草、お台場、新宿へ出かけました。
11月26-28日 筑波大集中講義
``Numerical approach to superstring theory and noncommutative geometry''
11月7-9日 新潟山形大合宿 講義、山形県飯豊少年自然の家
``Space-time from matrices''
10月20-29日 Dublin Institute for Advanced Studies セミナー
``Nonperturbative studies of fuzzy spheres in a matrix model
with the Chern-Simons term''
9月17日 筑波大物理セミナー(学部4年生ー修士一年生向け講義)
「マトリックス理論ー弦、時空、非可換幾何」
7月21-24日 国際会議 `International Symposium on Color Confinement
and Hadrons in Quantum Chromodynamics (Confinement 2003)''、
招待講演、理研
``A new method for simulating QCD at finite density''
7月15-19日 国際会議 ``21st International Symposium
on Lattice Field Theory (LATTICE 2003)'' plenary talk、
つくば国際会議場
``Lattice superstring and noncommutative geometry''
7月10-12日 国際会議 ``Finite Density QCD in Nara'' 招待講演
``A new Monte Carlo method for finite density QCD''
4月26日 理研トピック研究集会
「格子上のカイラルフェルミオンと行列模型の幾何学」招待講演
``Deconstruction, lattice SUSY and noncommutative geometry''
3月28-31日 日本物理学会(東北大)一般講演
「非可換時空上の場の理論の数値シミュレーション」
3月17-21日 KEK研究会、招待講演
``Dynamical aspects of superstring theory and
noncommutative geometry''
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このページの管理者は。。。
西村 淳 (KEK)