KEK-基礎科学研究院(IBS) 共同研究
韓国にある基礎科学研究院(IBS)のRISPプロジェクトとKEK素粒子原子核研究所は、短寿命原子核の精密核分光研究とそのための実験装置開発を強力に進めるため、2016年より、国際共同研究を開始しました。
この共同研究では最新の実験装置が開発され、和光原子核科学センターのKISSを用いた実験的研究に供されたのちに、さらなる研究を進めるためにRISPプロジェクトが韓国に建設中の短寿命核ビーム実験施設RAON施設に移送される予定です。
News
2017-11-22
韓国の科学技術情報通信部国際科学ビジネスベルト推進団クォン・ヒョンジュ ン団長と韓国基礎科学研究院(IBS)の希少同位体科学プロジェクト(RISP)チ ョン・スンチャンリーダーおよび韓国領事館のパーク参事官(21日のみ)一行が11月20日と21日の2日間、KEKつくばキャンパスと東海村のJ-PARC、埼玉県和光市の和光原子核科学センターを訪問しました。
21日の理研仁科センター視察では、 和光原子核科学センターの元素選択型質量分離装置(KISS)や多重反射型飛行時間測定式質量分析器(MRTOF)のほか、仁科センターのBIGRIPS, SAMURAI, SHARAQ等 の大型実験装置/制御室の見学を行いました。また、午前に開かれた和光原子核科学セ ンター、仁科センター関係者との会合では、RAON*やRIBFのような重イオン大型加速器施設に関する意見交換が活発になされました。
*RAONは、IBSがRISPプロジェクトとして建設を進めている再加速型の本格的短寿命核ビーム施設です。
和光原子核科学センターでは、2016年よりこの施設の開発・研究の展開に向けた共同研究を進めています。
HADES : High Acceptance DEcay Spectroscopy system
大立体角崩壊核分光システム=
- スーパークローバ型Ge検出器とマルチセグメントガス比例計数管で構成
- カナダTRIUMF研究所で開発された最新のデータ収集系、TIGRESSを採用
- KISSを用いた中性子過剰重短寿命原子核の精密核分光研究に用いる
- RAON施設の高強度短寿命核ビームによる核分光研究に用いる
MRTOF-MS: Multi-Reflection Time-Of-Flight Mass Spectrogtaph
多重反射型飛行時間測定式質量分析装置
- ガスセルクーラーバンチャーによるMRTOFへの高効率入射
- KISSを用いた中性子過剰重短寿命原子核の直接精密測定
- RAON施設での直接精密測定