LEP(CERN)やSLC(SLAC)などの電子陽電子衝突型加速器が行ってきた高エネルギー領域での素粒子探索と精密測定を、そのすぐ上のエネルギーから5倍程度高いエネルギー領域
(衝突エネルギー:250˜1000GeV)で実現を目指しているのが次期電子陽電子衝突型直線加速器(リニアーコライダ−、GLC)です。
リニアーコライダーでは高いエネルギーまで電子や陽電子を最も効率よく加速するために全長26km(電子側13km、陽電子側13km)の直線型加速器を使用します。
その衝突点においては電子(陽電子)ビームの大きさとして横240nm、縦3nmという非常に小さいビームを作り出し、互いのビームの衝突を維持する必要があります。
このような非常に小さなビームに絞り込むためには高精度高勾配の収束電磁石システムと発散が非常に少ない超低エミッタンスビームの実現が必要です。
ビームの生成と衝突は1秒間に150回の繰り返しでパルス的に行われますが、衝突を安定に繰り返すためには毎回の生成ビームの衝突位置をnm程度で安定に維持できるようなビームの実現が必要です。
ATFはリニアーコライダーに必要な高安定な超低エミッタンスビームの生成とその位置制御に焦点を合わせた開発研究を行っている試験加速器です。
この開発研究をさらに進める事によりリニアーコライダーでの重要課題の一つ、nmビームの生成とnmでの衝突制御を実現する事ができます。
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ATFが収容されているアセンブリーホール外観 |