PF-UAタンパク質結晶構造解析ユーザーグループ代表
橋本 博(静岡県立大学)

茨城大学の海野先生から引き継ぎ,2024年4月よりタンパク質結晶構造解析ユーザーグループ(以下PX-UG)代表を務めることになりました静岡県立大学の橋本と申します。

PX-UGはタンパク質のX線結晶構造解析を共通の手法として,構造生物学研究を推進することを目的としたグループです。ここ数年の間にタンパク質のX線結晶構造解析の状況は大きく変わりました。高度に整備されたPXビームラインではリモート測定や全自動測定が推奨され,私たちはビームラインに行かずとも良質な回折強度データ,あるいは適切に処理されたFデータを迅速かつ大量に得ることができます。位相決定ではNative-SADが身近になり,分子置換法ではAlphaFold2による予測構造をモデル分子として利用できるようになりました。また,クライオ電子顕微鏡による構造解析の躍進はめざましく,PX-UGの中にもX線結晶構造解析とクライオ電子顕微鏡構造解析の良いところを上手に利用している方も多くいらっしゃると思います。

このようなタンパク質結晶構造解析を取り巻く状況の変化に即応し,技術的な情報共有や人的交流の場を担うのが「中級者向け講習会」や量子ビームサイエンスフェスタに合わせて開催する「ユーザーグループミーティング」だと思います。これら会合に,より多くの皆様が参加していただけるよう,今後もハイブリッドでの開催を継続したいと思っています。その一方で,対面の良いところもあると思いますので,もしご都合がよろしければ現地参加もご検討いただければと存じます。PX-UGが構造生物学研究の推進やPXユーザーと施設の皆様との活発な人的交流に貢献できる媒体となるよう努めて参りますので,ご意見やご要望などをお寄せいただけたら幸甚です。運営にあたり皆様にご協力をお願いすることもあるかと存じますが,皆様どうぞよろしくお願いします。

2024年4月 静岡県立大学 薬学部 橋本博