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コラボラトリ研究活動

橋本清治、湯浅富久子、金子敏明



目標

コラボラトリ環境の構築において重要な要素の一つに、遠隔 操作がある。遠隔操作では、複数の地理的にはなれた場所から 加速器や実験装置の操作を行うが、直接装置を目の 前にして操作するのに比べ操作がより間接的になり、 安全性に対するより高度な対応が要求される。通常議論される ネットワーク上の安全性への考慮が必要であることはもちろん であるが、複数の操作者が複数の場所から、矛盾なく操作ができ るようなシステムを構築していかなければならない。

同時に、誰が、いつ、どこから、何を操作しているかの情報を 操作者間で共有するための方策も必要である。操作者間のコミュ ニケーションを助ける補助システムの作成も目指す。



平成16年度の成果

KEK B加速器やJ-PARC加速器では、米国ロスアラモス研究所で 開発されたネットワーク分散型の制御システム構築ツールキット EPICSを使用して制御システムを構築している。EPICSには、静的 なアクセス制御機能が装備されているが、遠隔からの操作 には十分とはいえない。遠隔制御に要求される、制御者の把握 (「認証サーバ」が担う)、装置の排他制御と権限管理、状況の 変化にあわせて権限の委譲や権限の停止ができる機能(「権限 サーバ」が担う)を追加していかなければならない。

本年度は「認証サーバ」や「権限サーバ」に関する技術的な調査 を行い、EPICSを使った遠隔加速器制御システムの概念設計を行っ た。

この研究活動は、加速器研究施設の小田切淳一、山本昇の両氏および 物質構造研究所の小菅隆氏との共同で行われている。



Computing Research Center, 2005