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ネットワークの応用研究

鈴木聡、苅田幸雄



平成16年度の目標

本機構は国際共同実験が盛んに行なわれており、 本機構で測定したデータを所属大学・研究所に輸送して 解析することが広域ネットワークが普及する以前から行なわれていた。 広域ネットワーク(以下、WAN)の広帯域化にともない、 大容量化するデータを迅速に 各所属地に転送できることが求められている。 近年WANの帯域は劇的に拡大したが、 遠隔地に対する遅延については改善されていない。 一般に用いられるTCPプロトコルによるデータ転送は この遅延からの影響が大きく、 大遅延のWANを経由した場合LANでの性能から著しく低下する。 LAN上でデータ処理プログラムを設計した後 遠隔地との協調運用にはいってから設計の問題が露呈する事例が散見される。 スーパーSINETのネットワーク等、バンド幅が確保されている場合には 些細な調整をプログラムに施すことによってこの問題を解決できる。 しかしLinuxの場合、 ネットワークそのものにはパケットロスが無くとも OS内部のキューがあふれた場合にパケットロス扱いにするため、 キュー長をバンド幅に応じて十分に確保するか Linuxカーネルの改造が必要である。

問題の所在を設計者にわかりやすく説明するために TCPフロー可視化プログラムを作成した。

既存の測定ソフトウェアでも上記の目的はある程度達成されるが、 送信側・受信側のホストそのもので測定を行なわなくてはならず、 OSを限定するので実転送プログラム作成者側に負担が大きい。 特に大規模なデータをテープライブラリを連携して使用している場合 送受信のホストそのものに適用することがほとんど不可能である。 また、秒単位程度の精度しか持たないため、 遅延が100ミリ秒を越えるような場合にしか有効でない。

当グループで作成したプログラムでは送受信ホストではなく、 パケットモニタを通じて取得したデータからTCPのフローを可視化する。 このため送受信側のホストの影響をあたえることはなく、 またOSを選ばないという利点がある。



17年度の目標



成果の公表 : [[*], [*]]



Computing Research Center, 2005