京都大学基礎物理学研究所 研究会

 
平成13年12月19日(水)〜 21日(金)
湯川記念館 3F 大講演室

場の理論は理論物理学の有力な共通言語であり、現在、素粒子理論を中心として様々な分野において広く用いられています。本研究会では、これらの分野、すなわち素粒子理論、原子核理論、物性理論、宇宙物理などにおける場の理論の近年の発展と応用を探究するとともに、共通言語としての基礎的諸問題を討議することを目的としています。また同時に、場の量子論や量子力学自体の基礎と応用に対する新しいideaを自由に議論することにより、将来の基礎物理学の発展への萌芽を見つけたいと考えています。従って本研究会は、特定の方向・分野に片寄らず、多種多様なテーマを持つ研究者間で、場の理論のユニバーサルな問題について議論し、それによって場の理論の最新の成果を共有することを企図するものです。具体的なテーマとしては、

場の理論の非摂動論的方法

繰り込み群、格子ゲージ理論、光円錐上の場の理論、可解系など

場の量子論・ゲージ理論の基礎的問題

スピンと統計性、量子異常、monopoleと閉じ込めなど

対称性とその破れの機構

格子上のカイラル対称性、超対称性、高次元理論の空間対称性の破れなど

有効場の理論とその応用 random行列模型、双対LG理論、超流動液体の有効場理論など
物性・統計力学への応用 Bose-Einstein 凝縮、量子ホール効果、スピン系、超伝導など
原子核・ハドロン物理への応用 有限温度/密度での閉じ込めとカイラル相転移、非平衡系の場の理論など
重力理論・宇宙論への応用 量子重力、black hole、中性子星、超高エネルギー宇宙線、ソリトン、高次元宇宙論など
量子力学の基礎と新展開

非可換幾何と場の理論、量子計算・量子情報、量子化の基礎、特異点の量子物理など

などを予定していますが、広く場の理論や量子論に関するものであれば、決してこれらに限定されるものではありません。また、なるべく多くの方々に自由に議論していただくため、通常の講演の他にポスターセッションの時間を、講演と並行せずに研究会の中心部に置くことにしています。(ポスターセッションの方には、セッション前に一人3分間程度の概要講演をして頂き、その内容が参加者全員に周知できるよう配慮する予定です。)

本研究会への参加・講演申込みは、下の参加申込書に必要事項を記入の上、e-mailまたは郵送でお申し込みください。なお、予算と時間に制限がありますので、旅費および講演時間の配分に関しては世話人に御一任ください。この研究会ではポスターセッションによる発表を奨励しています。特に短い講演時間や質問時間の不足に不満を持っている方は、進んでポスターセッションに御応募ください。講演希望の方が多数の場合にはポスターセッションに回って頂く可能性もありますが、予めご了承ください。また、科研費等の財源をお持ちの方はできるだけそちらを旅費にお使い頂くようお願いします。

世話人: 岩崎愛一(二松学舎大) 国広悌二(京大基研) 筒井 泉(KEK素核研)
原田恒司(九大理) 細谷 裕(阪大理)


Last updated: 1 December 2001