ジャーナル紹介 2011

日時: 2011-09-05 16:00 -
担当: 田中 敏晶
題目: A.M.Gavrilik and Y.A.Mishchenko, arXiv:1108.0936,
"Entanglement in composite bosons realized by deformed oscillators"
要旨: 変形振動子は可解性を保つような様々な変形(q-変形や変形ハイゼンベルグ代数など) の一つとして主に研究されてきたが、中間子のような複合ボーズ粒子を記述する有効理論としても用いられている。 この論文では変形振動子によって記述される2粒子複合ボソン粒子のエンタングルメントの度合いが振動子の変形度によって特徴付けられ、 変形度が小さくなって複合粒子が純粋なボーズ粒子に近づくほどエンタングルメントが強まることを、 複合粒子の1粒子及び多粒子状態において示す.


日時: 2011-07-20 16:00 -
担当: 森 琢也
題目: "Quantum Zeno and Anti-Zeno Effect without Rotating Wave Approximation"
http://prl.aps.org/abstract/ PRL/v101/i20/e200404
要旨: 崩壊についてのQuantum Zeno and Anti-Zeno Effectsを理論的に扱う. 以前からこの計算は行なわれていたが,計算で回転波近似が使われていたが, この論文では回転波近似を用いずに計算を行なう.


日時: 2011-06-15 15:00 -
担当: 佐々木 寿彦
題目: "Direct measurement of the quantum wavefunction"
http://www.nature.com/nature/ journal/v474/n7350/full/ nature10120.html
要旨: 状態を決定するためには、通常 tomography が行われる。 だが、これは測定結果に色々な変換を施して状態を決定するため、状態と測定との関係が不明瞭になる。 この論文では、任意の状態基底系での状態の表現(例えば、xで状態を見れば波動関数になる) を弱測定を用いて直接測定する方法を提案している。 これによって、波動関数そのものの測定論的な意味が明瞭になる。


日時: 2011-04-26 14:00 -
担当: 森田 辰弥
題目: "Weak Value as Context Dependent Value of Observables and Born's Rule"
http://arxiv.org/abs/1104.1873
要旨: 弱い測定"weak measurement"により得られる弱い値"weak value"は、 状況に依存する値"contextual values"としての条件を満たしている。 そして考えているweak valueの属する状況"context"において、contextual valuesの"平均値"として 期待値を定義することで、Bornの確率値との対応を見ることができる。