研究成果がNatureに掲載されました
Nature 2020年6月25日号に 「結合形成へとつながってゆく分子振動の出現機序のマッピング」というタイトルの研究論文として掲載されました。KEKからのプレスリリースは、 こちらからどうぞ。
5年前(2015年)にNatureに掲載された 論文では、ピコ秒〜マイクロ秒という9桁以上にわたる時間領域で進行する分子構造の時間変化を、SACLAとPF-ARのX線を使って捉えることに成功しましたが、ピコ秒以下(フェムト秒)の領域には、残念なことに手が届きませんでした。この時間域は、電子励起が終わっているのに、まだ分子構造は変化し続けているという、なかなか面白い時間域になります。この時間域において、溶液中の基底状態の分子構造がどのような機序で励起状態の構造に変わるのか、またその構造変化は分子振動とどのようにカップルするのかについて、化学者はいろいろと想像力を働かせたくなるのですが、これを実験的に捉えたという研究はおそらくなかったのではないかと思います。この論文では、5年前より時間分解能を改善することで、最初の1ピコ秒をより詳細に観測することに成功しました。
SACLA
Nature
2020/07/02
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