標準理論のトリー過程解析では、ファインマングラフを過不足なく書き下し、そ れらに対応するファインマン振幅を求める方法が一般的である。しかしながら、 この方法では同一の部分グラフが複数のファインマングラフに共通に現れ、計算 量を増加させていた。こうした計算量の増加を避けるため、ファインマングラフ によらない方法が提唱されてきた。
今回、こうした方法とは異なるファインマングラフのグラフ理論的考察により、 ファインマングラフを重複なく分類し、その分類ごとにファンイマングラフを因 子化することが可能であることがわかった。これにより従来のファインマングラ フによる方法による計算を高速化することが出来、散乱過程によっては100倍 の高速化が可能となった。