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理研で集中講義してきました!

先週の10月18日から20日QGGの3日間、和光市の理化学研究所(理研)で F理論に関する集中講義をしてきました。これは、理研 iTHEMS による “Quantum Gravity Gatherings” という一連の集中講義シリーズの1つとして行われたものです。

この企画は「量子重力への様々なアプローチについて、世代や分野の異なる人々が学び、意見を交換する機会として、集中講義シリーズを提供する」ことを謳ったもので、講義はすべて基本的に板書で英語で行われ、そのトピックスについて参加者が基本的なことから技術的な細かいことまでインタラクティブに学べることができる、というものです。このような斬新で画期的な企画の立ち上げ、運営に携わっておられる理研iTHEMS、KEK、東大駒場、京大白眉ならびに基研の皆さんに敬意を評します。また、遠くから参加してたくさんの質問をしてくれたこの分野の大家、巨匠、バリバリの研究者、気鋭のポスドク・大学院生の皆さんに心から感謝したいと思います。(それからお忙しいのに講義やバンケットに顔を出してくれた iTHEMS の所長にも…。)

実は、講義でも言ったんですが、F理論は量子重力とはほとんど(「全く」でなければ(!))関係ないんです。ただし、「量子重力」と言う言葉を「重力が量子化された理論」という意味に捉えたときの話で(まあ、それが普通ですけど…)、そうではなくて「なんらかの量子化された理論(たとえば標準模型とか)で重力とも結合するもの(たとえばインフレーションとかを考える)」という意味に捉えれば、F理論はそう言う理論とは大いに、大いに、関係あります!

また、これも講義で言ったんですが、F理論というのは(特に我が国では)大変誤解されています。「12次元理論でしょ?」とか言われたり、「すごい数学的な理論ですよね?」とか言われたり…。これらは、ある意味では完全にまちがっているというわけではないのですが、F理論の本質はそういうところにあるわけではないのです。そして、その「F理論の本質」こそが、これからの「LHC/Planck後の超弦現象論/宇宙論」に極めて重要になってくる、ということを言いたいのですが、それはまた別の記事で書くことにしましょう。

「夏の学校」で講義しました

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今年の夏の学校のポスター

8月20日酷暑の中、代々木で行われた第69回原子核三者若手「夏の学校」で講義をしてきました!

題目は「LHC/Planck後の素粒子論としての弦理論ーこれまでのやり方に何が欠けていたのかー」という、結構長ったらしいものにしました。全国から100人以上(どころではない?)も参加する大きなサマースクールで、しかも学生の方だけで企画、準備、運営すべてを切り盛りするすばらしいイベントでした。これに携わられたすべての皆さんに感謝するとともに、そのご努力に対して心から敬意を表します。

とても大きなトピックスで、しかも呼ばれたのが現象論パートということだったので、わかりやすいようになるべく式を使わないでスライドを用意したら200ページにもなってしまいました . . . 。アニメーションは動かないですが pdf にしたものをここにも上げておきます。

スライド1コマ目 スライド2コマ目 スライド3コマ目

また講義の様子は  YouTube でもご覧になれます。

式がないので、きちんと理解しようとしていた人にはかえってわかりにくかったかもしれません。そういう方は、今度10月に理研でも集中講義をやりますので、もしよかったらそちらにも出てみてください。(そちらは5時間 × 3日だそうです。超ハードですね. . . 。)