2004年5月に、ステージングポリシーをOnOpenからOnOpenAsyncに変更した。 OnOpenAsyncは、HPSSに対するアクセス要求に対して、ステージング処理が開始 された時点でデータ転送を開始するオプションであり、ステージング処理の終了 を待つOnOpenに比べてターンアラウンドを短縮することが出来た。
DFSのI/O性能が十分でないという指摘を受けて、運用システムの構成でのI/O 性能計測、ボトルネック箇所の特定、チューニング手法検討、チューニング後の I/O性能計測、等の性能評価を実施した。DFSのキャッシュを磁気ディスクにとる か、メモリーにとるかの違い、キャッシュの大きさが性能に影響することが確認 された。
しかし、キャッシュの変更は、性能の改善の一方、予期せぬ問題の発生のつ ながりかねないことを過去に経験している。そこで直ちに運用システムの設定変 更は行なわずに、更に検討を重ねることにした。
2004年4月に、DFS領域のデータにアクセスすると、不定期にエラーが発生す る障害が発生した。原因は、DFSクライアントのキャッシュ領域チャンクが全て 使用中の状態となったためで、この動作はDFSの仕様に沿ったものであることが 判明した。
対策としてキャッシュサイズを拡大することを検討し、性能上問題がないか を検証するための測定を2005年2月に行なった。この結果および、前回の性能評 価の結果を踏まえて、PSワークグループのログインサーバと計算サーバのDFSキャ ッシュサイズを500MBから1.5GBに拡張し、使用可能なチャンク数を増やした。
HPSSを研究グループのクライアントホストから利用するための、HPSSクライ アントパッケージを、以下3つのOSについて追加提供した。