第20回 国立試験研究機関交流集会(2002/6/12)
研究労働条件分科会(I)の報告
この分科会では評価が中心のテーマだった。特に個人評価に話題が集中した。
なお、この文書は口頭報告をメモしたものであり、聞き違い等の可能性があります。誤り
を指摘し、正しい情報を提供して頂けると幸いです。連絡先は Shigeo.Yashiro @kek.jp にお願いします。
- 独法 産総研
ユニットへの交付金の配分
前年度に対し 10-13% 減少。
評価により最大20%増加
人当での研究費の配分は廃止
個人評価
目標管理型
短期評価 --> 業績手当に反映, 長期評価 --> キャリアパスや昇格に反映
ユニット毎の昇格者数は管理運営事項として秘密にされた
直属の上司による1次評価、その上司による2次評価、4段階
ABCDの比率の裁量権はユニット長にある
労働条件
安全衛生委員会に組合代表
コアタイム無しのフレックス制 --> 超勤問題を議論中
リフレッシュ時間の実現
(以下 分科会での報告)
個人評価
2001年度分の業績評価の結果が報告された。
不服申し立ては研究分野の理事が担当する。書面審査もあり。
A: 20%, B: 60%, C:20%, D: 0.x% --> 業績手当にどのように反映されるかどうかは6月のボーナスを見ないと不明。
(この比率は私のメモに従っているが大いに疑問あり。)
評価に不服 15名 --> 是正もあった。
ユニット評価
5段階 --> 追加配分に反映
優:+20%, 良:+10% or +5%, 可:+0% の追加配分
研究テーマは、事前評価を受け予算がつけられる。
年度途中で発生したテーマは、事前評価、予算が不可能。
- 独法 通信総合研究所
個人評価
目標管理型
研究職および総合職(旧行(一),行(二))の一部を対象
(以下 分科会での報告)
個人評価
A: 5%(+0.5ヶ月), B: 20%(+0.1ヶ月), C:
0.5ヶ月は約20万に相当
その金額に相当した評価ができるのかということで交渉中
公務員 A ランク分を原資としている
12月は期末手当のみ, 6月の勤勉手当に反映
給与には反映させていない。
- 独法 運輸研究機関(海技研, 電子研, 交通研)
組織改変
海技研, 電子研 -- 2002年4月
交通研 -- 年度計画で 2002年度に見直しを実施となっている
研究費
海技研, 電子研 -- 経常研究費を廃止。要求は大きい。
個人評価
2002/4/18 労使交渉で合意
チェックシート方式. 目標管理型は採用しなかった
内容: 行動特性(交渉力,...), 成果, ...
評定結果は勤勉手当と特別昇給に反映
チェックシートを含めて被評定者に開示する
- 独法 土木研究所(土研)
まだ個人評価の話はない。
外部評価に神経過敏になっている。
- 国立 国総研
人頭研究費がなくなり、課題別あるいは室単位で研究費の配分
- 航空宇宙技術研究所(航技研)
個人評価
勤勉手当と昇格、特別昇給、謹厳手当に2003年度から反映の予定
目標管理型
評価を本人に公開。
判断の基準が不明確。
(以下 分科会での報告)
個人評価
被評価者の業務を研究業務、研究技術業務、研究管理業務と分けて評価。
上記区分を誰が行なうのかは不明。
学会への関わり等も評価対象となる。
A: 5%, B: 10%, C: 70%, D:10%, E:5%
センター単位でこの比率が求められる。
センター単位で補正できるが、プラス評価を作れば同じだけマイナス
評価を作ることが条件。優秀な人と同じ比率で劣る人がいるはず、と
いう論理。
富士通の方式をモデルにしているが、富士通では破綻している。
評価者の評価が必要。
- 国立 気象研
(以下 分科会での報告)
2002年度に研究評価係長のポストがついた. 研究評価官はつかなかった.
全体的に予算が法人にシフトしており、外部資金の獲得が難しくなった.
- 独法 環境研
個人評価
被評価者が数名の面接委員を希望する。
目標管理型
A評価 1/3, その他は B評価
業績手当と特別昇給に反映
(以下 分科会での報告)
個人評価
A評価
特昇 最大 +6号俸 (cf. 定期昇給は+4号俸)
自薦、他薦による
- 農林
個人評価
(以下 分科会での報告)
個人評価を業績手当に反映させないようにしている.
議論の中で話題になった、検討すべきポイントを列記する。
- 個人評価
評価結果の本人への開示と異議申し立て制度が必要。
給与に反映させるのは短絡的。給与を減らすことで問題が解決できるわけでない。
問題点を洗い出すのに利用すべき。
せいぜい表彰するなど(環境研 200万), 研究費に反映させる。
給与に反映させることになったとしても、一時金にとどめ、本給(特昇など)には反映させないようにすべき。
- 研究グループの評価
自前のテーマと本省から課されるテーマがあり、後者は全く成果が出ないものも少なくない。同レベルで評価されたらたまらない。
KEKでもサポート色の強いグループにはこのような矛盾が起こることがあるのではないだろうか。