2007年度後期熱力学定期試験の解説
- (1)は教科書p.49の例題1と同じ問題で、(2)は単に数字を当てはめて計算すれば良いだけの問題。分子1個あたりの並進の運動エネルギーが(3/2)kTになることさえ知っていれば簡単だったはずだが、2原子分子の自由度が5であることから運動エネルギーが(5/2)kTだとした人も多かった。多原子分子の場合に自由度が増えると内部エネルギーの大きさが(1/2)kTずつ増えるのは確かだが、それらは回転や振動の運動エネルギーに対応する。従って自由度が増えたとしても並進運動のエネルギーは変わらないことに注意すべきである。なお(2)については有効数字を考えていないもの、単位を間違えているものも多かった。(平均点:15.6)
- 教科書p.91の例題1とp.94の例題2とほぼ同じ。中間テストの4とも同じだが、後半を小問に分けて導出しやすいようにしてある。従って復習さえしていれば必ず解けるはずである。これも有効数字に気をつけていない解答が目立った。(平均点:17.6)
- 教科書p.145の例題と全く同じ問題。ヘルムホルツの自由エネルギーの定義と熱力学の第1法則、第2法則の式を覚えていれば問題なくできるはずで、満点の人と0点の人がはっきり分かれた。(平均点:14.4)
- 教科書p.158〜160の内容を問題にしたもの。数年前の理学研究科物理学専攻の入試問題の一部でもある。この問題は予想通り難しかったようで、手を付けられない人も多かった。(平均点:7.7)