粉末サンプルの準備について


放射光の透過型回折装置の場合には,実験室系で良く使われている反射型光学系で用いる板型試料ホルダーではなく,キャピラリに封じ込めた試料で測定を行います。以下に,試料の準備方法を示します。

試料の準備:

  • 瑪瑙(メノウ)乳鉢でゆっくりサンプルを粉砕し磨り潰します。
  • 結晶が溶けない有機溶媒を瑪瑙乳鉢に注ぎます。
  • 溶媒をかき混ぜ2〜3分ほど時間を置きます。
  • 粒度が荒く重たい粒が底にたまりますので、その上澄み液をスポイトでゆっくりと吸い出し、きれいなシャーレなどに取ります。

  • この方法で重要な点は,細かい結晶を取り出すということと,粒度がある程度そろっているという2点です.
    なお,有機結晶など,物理的に磨り潰せない場合には,スパチュラなどで丁寧につぶした試料を用います.このときには,大きな単結晶が紛れ込むことを完全には避けられませんが,測定時に試料を回転させながら平均化することである程度改善できます.このような試料の場合にはいくつかの条件で粉末試料を用意しておいて,粉末パターンをチェックする必要があります。

    キャピラリへの詰め方:

  • 粉末結晶を、小さい薬さじ,スバチュラなどですくい取りキャピラリに詰めます。
  •  途中で詰まった場合
  • 何度も繰り返して、0.5〜1cmほどの高さまで充填します。
  •  拡大率の高い実体顕微鏡などで、隙間なく充填されているか、荒い粒がないかチェックします。
  • キャピラリを封じきります
  • 実体顕微鏡などで、再度チェックして測定に適した場所を確認しておきます。
  • 問題がなければサンプルホルダーにマウントします。
  • これを装置にセットして測定を行います。


  • 高エネルギー加速器研究機構
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