2003.8.5 戸田充
ハッチ内に入ります。そして、CCD カメラの電源を入れます。下の写真に見えているコンセント赤いスイッチを入れれば一発です。
こちらはCCDカメラの電源、証明の光量調節部などです。もし上の操作で電源が入らなかったら、こちらに電源が入って いることを確認します。
下流から試料をみる CCD カメラは、IP 回折計の読み取り装置の上、やや上流よりに置かれています。 ジッパーで固定されていることを確認してください。使用終了時には、また、このように元に戻してください。 CCDカメラをコリメータ横のCCD架台に装着します。
設定されたCCDカメラを回折系上流部から撮った写真です。赤い矢印で示されたノブを締めます。ちなみに、 このノブでCCDカメラが固定されますと、安全機構が働いて、IP がせり出してこない仕組みになっています。
光量を調節して、Collimeter_x=120 として、CCD カメラでコリメータの先端を見てみます。ピントは、まず、 ラフにCCDカメラの架台を手動で動かしてみます。そうすると、CCDカメラからの距離が約 6 cm のところで、 写真中の左上のような画面が液晶ディスプレイに出てくるはずです。もしも、なんらの変化も見られなかった 場合、液晶ディスプレイから繋がっているケーブルの先が、いずれの機器の同軸ケーブルと接合しているか 確かめてください。
下の写真中赤い矢印の接続が、CCD_X の画面、白い矢印の接続が、CCD_Z の画面を表示します。
液晶ディスプレイ中の白線は、写真中の "H1"、"H2"、"V1"、"V2" つまみで調節できます。 液晶画面でみて、二段上の写真のようにコリメータの孔に合わせて置きましょう。
さて、これまでハッチ内で見ていた液晶ディスプレイの画面は、この操作PC上で、もしくは隣の机の上 にある15inch 液晶ディスプレイ中でもみることが出来ます。"VREC.exe へのショートカット"をダブル クリックして、真ん中の画面を出してみてください。もしも、画面が真っ青で、情報がなにも表示され なかった場合、右側の写真にある、AV selector (目の前に転がっているはずですが)が白いピンプラグ を選択していることを確認してください。ちなみに、黄色い矢印が指しているピンプラグは Z_CCD カメラ からのケーブルです。
左下の写真では、現在、z-CCD カメラからみたコリメーターの表面を映しています。これを、PC上と、隣の 15inch 液晶ディスプレイ上とでみているのが右下の写真です。
以上でCCDのセッティング完了です。次は、いよいよサンプルの中心あわせを行います。ゴニオの "y" 軸 を動かしますので、IPカメラとゴニオの間の空間に、なにもないことを確認してください。また、 "Collimeter_x" をラジオボタン "move" で、Position "75" 程度までに戻して下さい。そして、 ゴニオヘッドとサンプルを以下の様に装着します。
"Gonio"の "y" 軸を動かしてみます。 Control ソフトウエアのステータスエリアのサブメニュー "Optics" を選択してください。左下の画面のような表示になっているはずです。Goniometer の "omega軸 = 0"、"x軸 = 0"、"z軸 = 0"、" y軸 = 0"です。ここで、まず、Manual−> Maintenance −> Move & Scan −> Goniometer と選択して、右下のダイアログを出します。サブメニュー "y" 、 ラジオボタン "move" を選択して、 "Pos or Pls" ボックス中に "0" と入力して、"OK"ボタンをクリックします。
下のような画面になれば、OK です。
基本的な作業は以下のとおりです。 1.omega=0 で、gonio のy軸、z軸を動かして、CCDに試料を映します。つぎに、 2.omega=90 で、gonio のx軸を動かして、CCDに試料を映します。 これらの作業の繰り返しで回転センターに試料を置くように調節します。CCD カメラのピント合わせは、まず、大まか に手で行います。 さらなる微調はコンピューター上から機械的に可能ですが、"Initialize" を行って決めた Datum 位置から、+- 7.5mm 程度の可動範囲に限られます。まず、Initialize −> Maintenance −> CCD Initialize と進んで、初期化したのち、 Manual−> Maintenance −> Move & Scan −> CCD と進んで、微調節を行います。
次に、ω軸を "90" に振ってみましょう。"gonio" のダイアログで、サブメニュー"Omega" を選択し、"Pos" 入力 ボックスで "90" と入力してください。若干ピントがずれましたので、もういちどCCDのピントを合わしなおした 結果が、左下の画面です。次に、ω軸を"-90" に振ってみましょう。そうして撮った写真が、真ん中の画面です。 まずは、この位置で、"gonio_x"軸を調節して、2枚の写真位置の真ん中に試料が来るように調節します。 "gonio_x = -0.18" として、撮った写真が右下の画面です。
さて、この状態で、ω軸を "0" に振ってみましょう。若干下にずれました。ということは、依然、回転中心は 若干上にずれているということです。そこで、次に、"gonio_z" を少しだけずらしてみましょう。ここでは、 "gonio_z = 0.06" としたとき、右下の写真の位置ですが、試料がより回転中心に近い位置にあることが分かり ました。写真中においては、コリメータ(300μm径)中心から 100μm ほど上側(+z方向)に回転中心がずれて います。低温用クライオスタットをのせた状態でも、3〜40μm ほど、回転中心が +z方向 にずれますので、 ご注意ください。
以上で、試料を回転中心に合わせる作業は終わりました。いよいよ次は、簡易マニュアル (BL-8B) " 室温での測定"編に進みます。