セットアップ

1.ダウンロードと解凍
 製作者である泉氏のホームページhttp://www.nirim.go.jp/~izumi/ もしくは的場研ファイルサーバー\\laoh\public\labox\rietan2000\にあるrietan2000.lzhというファイルを自分のPCにダウンロードして展開する。

 例えば、デスクトップで展開すると、

このように展開される。
フォルダ rietan2000 ←RIETAN2000の本体やspgraなど重要なファイルが収納されている
フォルダ templates  ←各種サンプルファイルがある
フォルダ orffe     ←原子間距離を計算するプログラム
         RIETANの出力ファイル○○.xyzファイルを入力ファイルとして使用
ファイル cygwin1.dll  ←RIETAN2000にとって重要なDLLファイル
ファイル readme_win.txt  ←Read Me ファイル。最低限、これは読むべし


2.移動と実行ファイルの作成
 RIETAN2000の実行には、専用のbatファイルと設定ファイルinsファイルが必要。
実行ファイルは、フォルダ rietan2000の中に tl_riet.bat というファイルが用意されているので、それを修正・変更して作成する。
但し、batファイルを作成する知識がない場合や、ちょっと動かしてみよう!という人のためにサンプルを用意してある。

 私が用意したサンプルファイルを使用する場合、展開した全ファイルをCドライブの一番下(root)に移動すれば動きます。
 日本語化batファイル 22122.bat

 また私が使用した設定ファイル.insをサンプルとしてここにおいておく。参考にしてもらえれば幸いである。
実際に動かす場合には、
 A: 各ファイルともファイル名を 22122 に変更する  もしくは、
 B: 実行ファイルの SET SAMPLE= 22122 を SET SAMPLE= xsim などと書き直す
必要がある。
 シミュレーション Xsim.ins
 リートベルト解析 Xriet.ins
 リートベルト解析に使用したデータファイル Xriet.int

3.とりあえず 実行
 実行して成功すると、次のような状況になっているはず。
 
 ノートパッドなどのエディターに計算結果である 22122.lst ファイルが表示されている。
一般的なエラーなどもここに表示されるので、おかしいな?と思ったらチェック。
 DOS窓が一つ現れているが、致命的なエラーなどはここに表示される。
計算が終わったら、このDOS窓は消してしまってOK。

 出力はいくつかのファイルが出力されるが、その中で重要なものを紹介すると、
○○.lst で計算過程と結果を
○○.pat でグラフ表示用データを 表示する。
 また、Rietveld解析では、さらに
○○.xyzファイルは結晶構造描画ソフト ATOMS にそのまま使える
○○.mem ○○.hkl なども生成される。

4.自分のデータで解析
 RIETAN2000では、○○.insファイルで格子定数や空間群など各種データを入力し、○○.batファイルを作成し実行することでプログラムが実行される。Rietveld解析には更に実験データファイル○○.intが必要。
 insファイルやbatファイル、intファイルは同じファイル名にすること。

 intファイルは実験データファイルであるが、サンプルファイルからもわかるように、基本的に
 [2θ]  [強度]
  10.0  135.0
  10.5  132.0
のような形式のファイルを用いる。

 実行ファイルとして○○.batが必要となるが、その日本語化サンプルファイルをしたものを以下に示しておく。ファイルの中身は単なるMS-DOSのbatファイルなので、基本的に「DOSプロンプトで使用する環境変数」を設定している行は「SET」で始まり、コメント文(無視される文)は「REM」で表記されている。

 実行ファイルの○○.batファイルを自作するときには、右クリックからそのbatファイルのプロパティを開いて「メモリ」タグの「環境変数の初期値(V)」の値を「自動」から「4096」などの大きな値に設定する必要がある。
          

 エディターをWindowsのProgram Filesにあるエディターに指定する場合、例えば"c:\program files\hidemaru\hidemaru.exe"のようにダブルコーテーション(" ")で括る必要がある。これはMS-DOSが文字列中の半角スペースで、文字列の終わりと勘違いしないようにするための対策である。


サンプルファイル 22122.batの内容と解説

 太字の部分は、各自の環境に応じて変更の必要あり。

ECHO OFF
CLS
REM 'LOCINS=.' の指定は.insファイルと.batファイルが同じフォルダにある場合はこのままでOK
REM  異なる場合は、絶対パス(例:d:\rietan2000\)で指定する
SET LOCINS=.
ECHO Data files are located in %LOCINC%. ←このECHO文が表示されます
REM ファイル名の指定. File name = (sample name).*, where '*' denotes extensions.
SET SAMPLE= 22122  ←自分の設定ファイル名(○○.ins)に変更する
ECHO The sample name is '%SAMPLE%'.
REM 下のSET行にrietan2000.exe のある場所を絶対パスで指定する
SET RIETAN=c:\rietan2000\rietan2000\ ←この設定は各自の環境に応じて変更してください
REM データベースファイル(asfdc, spgri, spgra)のある場所を絶対パスで指定する
SET DATABASE=c:\rietan2000\rietan2000\ ←LZHを展開したフォルダのrietan2000の中にあります
REM 編集に使用するエディタ(ワープロソフト)の指定(秀丸・メモ帳を推奨)
SET EDITOR=c:\windows\notepad.exe  ←とりあえずノートパッドを指定してます
rem SET EDITOR="C:\Program Files\HIDEMARU\HIDEMARU.EXE" ←REM文にしてますが、Program Filesの中を指定するときには、このように" "でくくります
CHDIR %LOCINS%
ECHO RIETAN-2000 is now running ...
ECHO After execution of RIETAN-2000, the editor will be launched to open %SAMPLE%.lst.
REM 入力ファイル形式
REM *.ins: 一般的な形式 (一行「半角英数80文字まで」なので注意).
REM *.int: X線・中性子の回折データ
REM *.int: バックグラウンドの強度(insファイルで指定した場合)
REM *.ffe: Input data created by ORFFE for imposing constraints on interatomic distances and/or bond angles.
REM *.fba: Data created by MEED for MEM-based whole-pattern fitting.
REM *.ffi: Initial integrated intensities for Le Bail refinement.
REM 出力ファイル形式
REM *.pat: シミュレーション結果や解析のプロット用のデータ形式
REM *.hkl: Data for Fourier/D synthesis by FOUSYN.
REM *.xyz: Data for calculating interatomic distances and bond angles by ORFFE.
REM *.mem: Data for MEM analysis by MEED. ←電子の存在密度とかを計算するプログラム
REM *.ffo: Integrated intensities resulting from Le Bail refinement. ←サンプルの空間群が不明のときに使用するLeBail法(サンプルの空間群を必要としない解析法)の出力ファイル
REM *.lst: 一般的な形式
%RIETAN%\rietan2000 %SAMPLE%.ins %SAMPLE%.int %SAMPLE%.bkg %SAMPLE%.pat %SAMPLE%.hkl %SAMPLE%.xyz %SAMPLE%.mem %SAMPLE%.ffe %SAMPLE%.fba %SAMPLE%.ffi %SAMPLE%.ffo > %SAMPLE%.lst ←この長い文でlstファイルに出力するデータを列挙している
%EDITOR% %SAMPLE%.lst ←指定したエディターにlstファイルを表示させている
REM When closeing %SAMPLE%.lst in the editor, the command prompt window will also be closed.