Photon Factory: BL-3A 実験マニュアル: 特殊事情集

Staff: H. Nakao (PHS:4868)

利用するX線エネルギーの変更について

BL-3Aはアンジュレータのビームラインです。 リング立ち上げ後やビームダンプ後はアンジュレータのGapが全開の状態になっています。 ビームラインに光を導入するためには、Gapを閉じる必要があります。 BL-3Aはエネルギーを変更すると最適なGap値にするようになっていますので、 エネルギーを変更することでGapを閉じることができます。

・使いたいエネルギーに変更します。

 FOURC> moveE 8

 アンジュレータのGap値が変化したあとに、エネルギーが変化します。

 * ビームダンプなどの影響により、SPECの保持しているGap値と実際の値が 違ってしまうことがあります。一度、手動でSPECが思い込んでいる値と 違う値に動かせば(例えばmv gap 10)、復帰します。
 * Gap値は PFリングの運転状況でも確認できます。
 * _flg_gap_パラメータが0になっているとmoveEでGapは動きません。 _flg_gap_=2と入力してください。

モノクロメータの動作が止まったらエネルギーを確認します
 FOURC> getE   getEで現在のエネルギーが確認できます。

架台調整関連

利用するピンホール

シングルピンホールは、0.3mmφです。 これで、y,z方向のビームサイズを確認してください。

ダブルピンホールも、0.3mmφが最終調整用です。 ただし、ダブルピンホールの片側は、約1mmφの模様。

架台調整コマンド

 FOURC> dscan ry -0.4 0.4 30 1
        :
 FOURC> umv ry CEN
 FOURC> dscan z -1 1 30 1
        :
 FOURC> umv z CEN

 FOURC> dscan rz -0.3 0.3 30 1
        :
 FOURC> umv rz CEN
 FOURC> dscan y -1 1 30 1
        :
 FOURC> umv y CEN

4軸から2軸への切替手順


  • 架台のz軸を2軸位置へ (umvr z -9.5)

  • ミラーを2軸の設定値へ(mv_mirror_2c)
     ビームがslit1を抜けていることを確認。

  • fourcから抜ける(quit)

  • fourc2 で実験

  • 2軸から4軸の時は、逆の手順で
  • fourc2から抜ける(quit)

  • fourc へ

  • ミラーを4軸の設定値へ(mv_mirror_4c)
  • 架台のz軸を4軸位置へ (umvr z 9.5)

  • ビームがslit1を抜けていることを確認。

  •  

     

    四軸架台位置
     集光  y=0 z=0 ry=0 rz=0
     非集光 y=0 z=-51.64 ry=-0.5 rz=0

    ミラー位置
    四軸位置集光 M1UV=-9700 M1DV=6900 M1Db=-660000 M1UH=M1DH=0
    二軸位置集光 M1UV=-7680 M1DV=4880 M1Db=-290000 M1UH=M1DH=0

    ミラー位置(new)
    四軸位置集光 M1UV=-18950 M1DV=-2350 M1Db=-660000 M1UH=M1DH=0
    二軸位置集光 M1UV=-13610 M1DV=-1050 M1Db=-290000 M1UH=M1DH=0
     

     

     

    超伝導マグネット搭載回折計: 架台調整手順 (工事中)


    準備
  • 4象限スリット全開(nslit1 15 15; nslit2 15 15)
  • umv tth 0 th 0 chi 0 phi 0
     umv magx 0 (位置、駆動方向目視)
     umv magy 0 (位置、駆動方向目視)
  • このとき、thの原点が大きくずれていると(~5度)、後の調整がしにくくなります。目測でマグネットに書いてある矢印が大体thゼロのところに来ていることを確認すべし。
  • y軸の調整 
  • 1mmのスリットの入った真鍮の冶具を試料位置に取りつける。 (th=0の時に、スリットが上流を向くように設置)
  • umv th 0; dscan magx -10 10 50 1; スリットの位置、p1とする。
  • umv th 180; dscan magx -10 10 50 1; スリットの位置、p2とする。
  • umv magx (p1+p2)/2.; dscan y -2 2 30 1; umv y CEN
  • umv th 0; dscan magx -2 2 30 1; ピーク位置が変わらないことを確認。
  • 前後の傾きの調整 
  • リナグラフを下流側の磁石の窓で感光。(th=0)
  • リナグラフを貼ったまま、thを180度回転。
  • 再び感光させ、2つの感光跡の高さのずれを測定する。
  • 2つの位置が合うようにz2軸を調整する。 磁石の窓の直径が32cm、z1モーターとz2モーターの距離が173cmなので、その倍率を使う。
  • 念のため、リナグラフを窓の後ろ側で一度、 thを0度に戻して再度、それぞれ感光させて、感光位置がずれないことを確認。
    magy, samzの調整
  • umv th 90; さらに、スリットが上流を向くように90°回転。
  • dscan magy -10 10 50 1; スリット位置に、magyを合わす。
  • 1mmφのピンホールの真鍮のに交換する。
  • dscan samz -5 5 50 1; 穴の位置に、samzを合わす。
  • この位置に試料を取り付ける。ただし、試料ロッドは温度変化で伸び縮みするので注意。
  • 試料棒を引き抜いている間に、スリット調整をするとよい。 まずslit1を上流のイオンチェンバー(pa0)で調整し、その後slit1を使用する大きさに設定し、slit2(とslit3)を下流のイオンチェンバー(pa1)で調整する。
  • 試料位置の調整
  • th=0で、dscan magx -10 10 30 1; 半割になるところにmagxを合わせる。
  • dscan phi -10 10 30 1; マグネットのウィンドウ内にピークが来るかどうかチェック。
  • ピークになる前にウィンドウで切れてしまう場合は、手で試料棒を回して調整する。 ピークがウィンドウ内に入るまで、手で回す→magxスキャン→phiスキャンを繰り返す。
  • 半割状態で、dscan samz -5 5 30 1; 試料の高さ調整。 samzは広く振りすぎないように注意する。(再現性が無くなります。振っていい範囲はsamzのモーターの所に書いてあります。)
  • 半割で試料高さがよくわからない場合は、蛍光で高さ出しをする方法も有効。
  •  

    架台とビームの高さを、どのように調整するかは思案中。