Photon Factory BL-19A/B(軟X線顕微分光ビームライン)
フォトンファクトリーのBL-19はAPPLE-II型アンジュレータを光源とし、走査型透過X線顕微鏡 (STXM) 常設のAブランチと、フリーポートのBブランチから構成されています。
Bブランチでは施設保有の軟X線XAS測定装置が利用可能であるほか、ユーザーが装置を持ち込んで実験できます。Bブランチのスペースは限られているため、課題申請前に必ず下記ステーション担当者へご相談ください。
BL-19は2019年I期から共同利用を開始しました。BT配分や装置の整備状況等については、随時このWebページおよび課題責任者へのメール連絡等でお知らせします。
最終更新 2024/12/26
BL-19A: 走査型透過X線顕微鏡 (STXM)
- 集光:FZP
- 空間分解能:30 nm程度
- エネルギー分解能:E/dE = 5000程度
- エネルギー範囲:160-1900 eV
- 測定対象吸収端:B, C, N, O, F, Na, Mg, Al, Si (以上K端), S, Cl, K, Ca, 3d遷移金属 (以上L端), 4f希土類 (M端)など
- そのほか
リモート制御による測定が可能です。
大気非暴露環境での測定が可能です [4]。
透過法のほか、蛍光収量法、転換電子収量法による測定が可能です。
詳しくはステーション担当者にご相談ください。
BL-19B: フリーポート
- 設置可能装置サイズ:1600x2000 mm
- 集光ビームサイズ:200(H)x50(V) um
- エネルギー範囲:90-2000 eV
- エネルギー分解能:E/dE = 5000程度
- 保有装置:軟X線XAS測定装置
全電子収量、蛍光 (シリコンドリフト検出器)、透過 (フォトダイオード) 用検出器を備えています。
ステーション担当者
BL-19共通部 / 19A (STXM) / 19B (フリーポート)
担当者: 山下翔平 (PHS: 4828) shohei.yamashita[@]kek.jp
放射光実験施設:測定装置部門
ビームタイム&留保(空き)情報
ビームタイムカレンダー(2024/12/26掲載)
留保(空き)情報
- 2025/3/20(木,祝)21:00 ~ 2025/3/21(金)9:00 (12h)
留保BTは施設利用(有償利用)を優先とし、BT開始日の30日前にユーザーに開放します。
ご希望の方は担当者までご相談ください。
参考情報
測定装置部門 BL-19A/B:軟X線顕微・分光実験ステーション
そのほか関係情報はBL-19専用メーリングリストからお知らせしています。
アドレス変更や追加登録をご希望の方、メール連絡が不要の方はBL担当者にお知らせください。
その他
PF研究会「放射光顕微分光が切り拓く材料研究のフロンティア」(終了しました。)
PF研究会「放射光2ビーム利用と広波長域実験が切り拓く学術フロンティア」(終了しました。)
PF研究会「放射光科学でのDX」(参加申込〆切:2025年1月31日)
PFでは、将来光源(後継施設)の候補となるPF-HLSの実現に向けて計画が進行中です。
まずは、開発研究多機能ビームライン(新BL-11)を早期に建設し、Hybridリングで展開される「放射光2ビーム利用」技術の実証を進め、さらなるサイエンスの成果の創出を目指しています。
現在、BL-19では多くのユーザーの皆様にご利用いただいており、その利用実績を基に、「X線マルチプローブが拓く地球・惑星・宇宙」を主題とした「2ビーム・マルチビームを用いた研究」を進めたいと考えています。
これに並行して、BL-19のユーザーの皆様から下記のビームライン案を参考に、さらなるサイエンスケースや利用研究の提案を広く募集しています。
以下は、新光源で検討中の新ビームライン案(暫定版)です。このようなビームラインがあったら、「こういった研究が可能そう(あるいは面白そう)」といった自由なご意見をぜひお寄せください。
【新光源での新ビームライン案】(暫定版につき適宜更新予定)
・同一ビームラインで2ビームが同時(あるいは連続)利用可能
→例:C-K edgeと他元素を同時に測定可能。
・マルチビームの利用が可能
→放射光に加えて、中性子やミュオンによる同時(あるいは連続)測定が可能。
・マルチモーダルな分析が可能
→X線回折、赤外分光、CT、Q-massによるガス分析などを並行して実施可能。
・in-situおよびoperando分析に対応
→温度可変、ガスフロー、溶液流通下での測定が可能。
・ビームライン内でFIB(前室)-SEM(EDX含む)-STXM(測定室)が利用が可能
→施設間での試料搬送を必要とせず、より効率的に実験を進められる。
→FIBとSTXMの併用することで、表面からバルクに至るまでの情報を顕微分光で評価可能。
References
[1] S. Sasaki et al., Nucl. Instrum. Meth. Phys. Res. A 331, 763 (1993).
[2] K. Amemiya and T. Ohta, J. Synchrotron Rad. 11, 171 (2004).
[3] Y. Takeichi et al., Rev. Sci. Instrum. 87, 013704 (2016).
[4] S. Yamashita et al., AIP Conf. Proc. 2990, 040009 (2023).