Theory Seminar
KEK 素粒子原子核研究所・理論セ
ミナー
| 題目: | 2次元場の理論におけるColemanの定理について(日本語/Japanese) |
| 講師: | 糸井千岳 (日本大学理工学部) |
| 日時: | 10月27日(月)15時 |
| 場所: | 研究本館 3階 321号室 |
(概要)
Colemanは「赤外発散がない2次元の相対論的な場の量子論では、 連続対称性は自発的に破れない。」という結果を1973年に発表した。 これはColemanの定理としてよく知られており、30年にわたって引用されつづけ ている。ところが、証明に使われる補題が間違っているうえに、 定理の仮定も証明の手段も物理的な直感からかけはなれていて 大変読みにくい。このため、きちんと読まずに誤解して 引用している人も多い。さらに、「赤外発散がない」という仮定は 強すぎて、物理的に意味のある現象も排除されかねない。 たとえば、1次元の強磁性Heisenberg模型では、帯磁率が絶対零度で 赤外発散することによりSU(2)対称性は自発的に破れている。赤外発散は 臨界現象などの理論にとって物理的に重要な現象であるから、 これをもって理論に矛盾があると決め付けてはならない。 また、自由ボソン表示を使っている人は、赤外発散は適当に取り除いて 使えば良いので、この仮定はやはり意味のある結果を排除しているのではと、 考えるかもしれない。 この講演では、「赤外発散がない」というよくわからない 仮定をおくのはやめ、「連続対称性のある2次元の相対論的な 場の量子論では、その対称性の秩序演算子である局所スカラー場 にクラスター性が成り立つならば、真空期待値を持てない。」 という命題を示す。これで、定理は実質上十分有用である。