短寿命核実験

〜 宇宙にあふれる短寿命核 〜

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私達の体を形作る元素、 身の回りのものを形作る元素、 これらの元素はいつ、どのようにして作られたのでしょうか? ビッグバンで宇宙が始まって100秒程度の間に、 原子番号1から3までの 水素、ヘリウム、そしてリチウムの三元素が合成されたと考えられています。 それ以外の元素は 太陽などの恒星の内部や、 星の死として知られる超新星爆発を通じて合成されたものと考えられています。 恒星の内部では 原子核が陽子を吸収(陽子捕獲反応)したり、 またはヘリウムを吸収(ヘリウム捕獲反応)して、 水素から順に 原子番号の大きいものへと ゆっくりと原子核が成長して行き、 鉄までの元素が合成されます。 鉄より原子番号の大きい元素は、 高温の恒星で原子核が中性子を吸収(中性子捕獲反応)して ゆっくりと合成されるほか、 超新星爆発で原子核が大量に中性子を吸収(多重中性子捕獲反応)して 一気に合成される過程もあります。 またこのほか、 高温の天体における 大量の陽子の吸収(多重陽子捕獲反応)など、 宇宙における元素の合成過程は多岐に渡ります。 これらの元素の合成過程はどれも短寿命核を経由するものであり、 元素がどのようにして作られたのか、 そして星はどのように成長して行くのかを 解明するためには 短寿命核の研究が重要な鍵を握っていると言っても過言ではありません。


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