JAERI ISOL

原研 同位体分離装置 JAERI Isotope Separator On-line
担当 : 原研 市川、長、佐藤

   原研同位体分離器(Isotope Separator On-line, 以下ISOLと略)は 1981年に製作されました[1]。2連の四重極電磁石を分析双極磁石の上流に設置し、60kV の引き出し電圧に対して2000という高質量分解能を持ちます。

   TRIACでは、タンデム加速器から供給される陽子ビームをウラン 標的(238U)に照射し、核分裂反応により生成された短寿命核を 14keV の一価イオンとして引き出す装置としてISOLを用います。イオン源 として、FEBIAD(Forced Electron Beam Induced Arc Discharge) 型と、表面 電離型を用意してあり、前者は希ガスのイオンを引き出す時に用い、後者は金 属イオンの引き出しに用います。 現在、FEBIAD型イオン源には、2.6mg/cm2の 炭化ウランがプラズマチェンバーに直付けされており、表面電離型イオン源には、 同量の炭化ウランがイオン源の中に設置されています。238U核分 裂反応により得られる短寿命核種の予想収量は こちらにあります。

   陽子ビームを一日照射すると、室内作業可能な放射線レベルに 下がるまで数日待つ必要があります。そこで、ウラン標的及びイオン源を遠隔 操作できる機構を開発しました。放射化した標的等を鉛格納庫にロボットで鉛 の障壁箱に納められる様になったために、実験後の作業効率が格段に向上しま した。

[1] Nucl. Inst. Meth. 186 (1981) 457.