反物質は、通常の物質とは逆の性質を持ち、物質とぶつかると両方が消滅してしまいます。この科学講座では、スイス・ジュネーブにあるCERN(欧州素粒子物理研究所)で行われている反物質研究の最前線を紹介します。中でも、重力が反物質にどのように作用するか─反物質は下に落ちるのか─という長年の謎に挑んだ最新の実験結果を中心に解説します。反物質研究の進め方や、そこで得られた知見が私たちの宇宙観に与える影響についてを考えてみます。
量子場計測システム国際拠点(QUP)は、高エネルギー加速器研究機構(KEK)に設立した世界トップレベル研究拠点(WPI)の一つで、測定の科学を研究する場です。「量子場計測システム」には、量子場「を」測定するという意味と、量子場「で」測定するという二つの意味を持たせています。QUPでの測定研究開発は、新しい「眼」を人類にもたらし、宇宙観測や素粒子実験を革新して、この美しい世界の成り立ち(時空と物質の真の姿)の理解を助けるとともに、広範な社会への応用をめざしています。 web: https://www2.kek.jp/qup/