動機

1. 6月16日の結果を見ると、低エネルギーシャワーによるピーク付近 のデータばかりを大量にとっており、我々が知りたい高いエネルギー部分の 統計が少ない。ここを見る必要がある。
2. 前回の実験では、積分時間が１０秒程度だった。それでピーク付近のチャネルが飽和するので、 測定をやめていた。
3. CIM入射のシャワーはスペクトルの形を完全に崩す。したがって、長期間データをとるためには、CIM入射によるシャワーをVetoしさなくてはならない。
4. この部分のデータをとるために、セルフトリガーのエネルギー閾値をあげて、 ０付近の低エネルギーシャワーをのぞいた。

経過

• 20:00 筑波実験室に来た。
• QVTセルフトリガーの閾値はこれまで常に最低（モニター値-1.02V)だった。 それを、モニター値-4.97Vに設定した。低いエネルギーのピークが消えた。
• FAN-in モジュールでLER/HER InjectionのORをとり、 Gate Generateor (GG) に入れた。これで、qvtを働かせると、VETOを１０ｍｓにしても 入射によるノイズがQVTに入ることがわかった。 これは電気的ノイズ、radiation noise両方が関係あるらしい。 しかたなく、GG の幅を６秒（最長）にして、 「CIM期間はVETOがかかりっぱなしになるよう」にした。
• ところが、このGGはアップデートタイプじゃないので、10Hzで パルスが入ってきても、６秒後には一瞬VETOが切れる。 そのときに大量のバックグラウンドが入り、qvtのデータはめちゃくちゃになる。
• さらに、LER/HER入射パルスごとにPMTへ流れるHVの電流が極端に大きいことが わかった。つまり、入射バックグランドは先週末に比べてかなり大きい。
• こうしたことから、きれいなデータをとるために、以下の手続きをきめた。 LER/HER の入射タイミングを OR して Gate generator で Veto をつくり Qvt の Inhibit に入れておく。
  1. CIMの無いときにＨＶをあげて、Qvtをスタートする。
  2. CIMがはじまる。 　
  3. 最初の数秒はVetoがきちんと働いている。その間に 　 QVTの動作を手動でstopさせる。
  4. PMTの電源（HV)を手動でおとす。
  5. CIMがおわるまで待つ。
  6. HVをあげて、QVTをactiveにする。
• 40分ほどHV(オン)-QVT開始-データ収集-CIM開始-Qvt(停止)-HV(オフ) を繰り返してデータをとった。 （正確な積分時間は不明。CIMの合間なので、合計してもたかだか10分程度だろう）
• Offset dataはHVを下げて、閾値も-1.02V に戻してとった。
• 結果写真は以下のとおり。
  • 
  • 
  • 
  • 
  • 
• Qvtの記録は何回か行ったが、今回はADCチャンネルも増えたので、 記録に時間がかかった。結果は以下の通り。
  
  

まとめ

1. エネルギー分布：高いエネルギーまで広がっている。スペクトルは 280 channel までひろがっている。オフセット３２を引くと、 ADC=248となる。E=(ADC-9)/34.5=7 GeV. (実際には、有効数字２桁はないと思う)
2. 頻度：およそ10分間の測定で ADC216チャネル（６GeV）以上のイベント数は、29エベントだった。 つまり、およそ 0.05 Hz。
3. さらに長い時間積分して、このスペクトルが８GeVで切れているかどうかを 調べることに興味はあるが、さらに10倍程度のデータをとる必要がある。 現行システムでは手間がかかりすぎるので確認は難しい。