• 19:00ころ坪山・田島・幅がカウンタホールで作業開始
• ビームが出始めていた。1 GeV/c に設定してあるそうである。エアロジェルカウンターからの信号を用いて電子Vetoをしているそうなので、その信号をもらうことにする。京大グループはこころよくエリアに入れてくれた。 聞くと、マスターの学生ばかり10 人くらいでやっている。
• ステージに鉛ガラスカウンタを置き、ケーブル接続
• 幅氏がコンテナから電子トリガー信号のための同軸ケーブルを引く。
• 「チェレンコフカウンタだけじゃトリガーが弱いんじゃないか」と、チンチレーションカウンタをさがした。が見つからない。
• 「ゲートはシグナル自身をディスクリに入れたものと京大信号とからつくる」と決めた。
• エリアから出て「ビームを出してもいいですよ」と京大グループに言った。
• フェンスの外でエレキのセットアップ開始。
• なかなかビームが出ないので幅氏退場
• オシロで見ているとやけにノイズが多い。50 Hzで10-20 ｍV。原因は不明だが、分割した信号をディスクリにつなぐだけでノイズが出る現象を確認した。
• カウンタからの信号があまりに小さいので、「PMTが壊れれるんじゃないか」と心配して、エリアの外にある予備鉛ガラスに電源をつなぎ、HV を通電した。すると 1000 Vを超えたあたりでフォトマルから放電音が聞こえる。このカウンタは使用不可能だ。
• 19:30ころから（？）ビームが出始める。
• HVを1500 V 程度かける。オシロでは信号がみれるが、信号電圧は低く、ディスクリを通すとそもそもディスクリからパルスが出ない。1700 V 位でオペレートすると、ディスクリからパルス信号が出始めるが、これじゃ測定の意味がない。
• しかたなくdividerをやめた。 Gateはエアロジェルカウンターからの信号をgate generatorで広げて作った。以下の写真は、Photomul信号とゲートの関係を示す。 見ればわかるが、京大トリガー信号はダブルパルス。電子Vetoのために作っているので条件は甘めなのだろう。 無駄なトリガーがとても多いことを承知で、Qvt入力にこの二つの信号を直接入れて測定をすることに決めた。
• 準備が終わったのでデータをとった。筑波実験室と同じHV=1.454 V(モニター値)に設定。ゲートはやたらとくるので、すぐペデスタル（？）のビンがオーバーフローし始める。そこで 1 分程度データをとった。（正確な時間は計っていない） きれいなピークが出たので、「実験終了！さあ帰ろう」
• と一回電源を止めた。が、「πと電子を混同してないことを示すデータがないと宇野さんが納得しないだろう」と電源を再度入れた。
• 20:24から 10 分間程度データをとった。Ch < 20以下のビンの多くはオーバーフローしている。結果は以下の通り 38チャネルから110チャネルにわたり指数的に下がるハドロンシャワーのテイルがあり、その上に80チャネルを中心に電子のピークがある、と解釈できそうだ。 Excel file.
• 21:00 実験終了

考察

1. 富士でとったデータと今回のデータを比較するためには、signal dividerの影響を考慮する必要がある。そこで2月22日に撮った写真を見る。
2. 2月22日には1:3 signal dividerでPMTからの信号をオシロ、トリガー、Qvt に分けていたので、信号レベルは1/3になっている。
3. この２枚のオシロの絵を見くらべるとスペクトルのエンドポイントはオフセットから 1200-250=950 mV 位にいる。3倍すると、2850 mV になる。
4. 今日とった写真を見ると、「1 GeV」のピークは 220 mV位にいる。
5. したがって、前回とったスペクトルのエンドポイントは 1.0*2850/220=13 GeVということになる。
6. ちなみに2月28日にとったオシロの写真は以下のとおり。
   
   2月22日のデータと同じようなものである。