2006年6月16日作業報告
- 経過:
- 3月のPSでのデータ収集後、
カウンタシステムを3月終わり(4月最初?)には富士に復帰させた。
カウンター再設置後、一回はPMTにHVをかけて、
宇宙線の波形測定はしてある。
- しかしセットアップは放置してあった。
KEKBの今期運転の終了前にはエネルギー測定を終えたいと考えていた。
- 飛山氏により、LER/HER 入射信号、100V、CATV線が準備されており、
非常に楽に実験ができた。
- 19:00ころ筑波実験室に来た。NIM/オシロの電源をあげ、HVを規定値(モニターで1.445V)に設定した。
- オシロスコープでPMT出力の波形を観察した。
HER/LERインジェクションで明白な電気ノイズが観測されている。(オシロの絵はない)
これは、入射キッカーまたはフィードバック由来かもしれない。
ビームインジェクションをのぞけば、パルスは単発で来ており、パイルアップが起こり続けている
という状況ではない。
- こうしたことから入射時の信号がQVTに入ると測定データが使えなくなる。
- 入射タイミングをスケーラーでみることで、LER(2回)HER(1回)のCIM入射パターンがわかるので、
ビーム切り替え時間でCIMが中断されている間にデータをとることができた。
- 実験の最後にPMTのHVをオフにしても信号が観測され、ノイズが相当入っていることがわかった。
- 20:00-21:00にかけて、データをとった。
PI2でのビームテストと比較できるように、
セルフトリガーでデータを取った。
PSでの実験では時間ともにオフセットがドリフトしたので、
今回は、測定の安定性を確認するため3回のビームデータを取った。
オフセットデータも3回取った。最初はPMTからのケーブルを抜いて、
外部トリガーを入れた。2回目はケーブルを入れたままPMTのHVをオフして外部ゲート
をもちいた。最後最後はセルフトリガーをこころみた。それでもデータが取れた。これは
電気的なノイズが多いことを示している。
- QVTのピークカウントがオーバーフロー直前で測定が止まるようにqvtセットして、データを読み出した。
- データを取り始めると、10秒強で、ピークのカウントがオーバーフローをおこし測定が
止まる。
- 次の絵は1回目の測定後のQVTの出力のオシロスコープに表示された絵である。
- 次の絵はPMTのHVをおろして、同様の測定を行った後のQVTの出力である。
- 次の絵はPMTのケーブルを抜いて、外部ゲートにパルスを入れた結果である。
- 二つのバックグラウンドデータは形状は違うが、ピーク位置はまったく同じだった。
- 特に、HVだけ変えた絵はピーク付近の信号の形状が一致している。
したがって、その差がビームからの信号と考えられる。
- これらのデータをよみだして、Exel によりグラフにした。
この図からオフセットは16で安定していることがわかった。「赤線」のEXTトリガーは
qvtのQモードでは使わない。
、30チャネル付近であり、ピーク位置は90チャネル
ることがわかった。
20:55のデータを見ると、15ADCカウントほどの電気的なノイズがあると考えられる。
- スペクトルは、120 channel くらいまでひろがっており、
オフセットを引くとピーク位置は、ADC=104となる。
3月の試験で決めた、E=(adc-9)/35を適用して、
エネルギーに換算すると、E(Max)=2.7 GeVとなる。
- 結論
- ビームテストと同じ条件でQVTのけっかをみると、最大90チャネル(オフセット差し引き後)まで、スペクトルが広がっている。
- 3月にキャリブレートした結果を踏まえると、最大エネルギーは2.7 GeV程度 となる。
- これは低すぎる感じがする。一つの問題は積分時間が短かく、頻度の低い高いエネルギーポイントが入ってこなかった
可能性がある。実際スペクトルは単調減少しており、テイルがどこまで伸びているかはこの測定では明らかではない。