動機と結果

1. １GeV/c以下では電子（正確にはpositron）が１分で１０００を越えることは「全然不思議じゃない」そうなので、これまで見たピークはほんものらしい。そこでトリガーを変えてS/Nが変わるかを調べる。
2. 京大グループがエネルギーを変えると言っているのでピーク位置が変わるかどうか調べる。
3. 実験企画室長の家入氏から「パラサイト実験でもちゃんと実験提案書を出せば、PS最後の実験番号がついたのにね」と言われた。
   
4. 結論：昨日から見ているピークは本物と考えられる。

• 9:00 カウンタホールにゆくとビームが出ていない。京大グループがシリコンストリップ検出器のインストレーションをはじめたらしい。
• 14:00 まだビームが出ていない。シリコンストリップ検出器のインストレーション続行中。光漏れの研究をしていた。
• カウンタの出力をつかってトリガをする研究をもう一度した。dividerで信号を分け、オシロ、Qvt, ディスクリにつないだ。10分に一度はトリガーがくる。タイミングはOKだった。
  
  なかなかビームが出ないので帰った。
• 17:30 カウンタホールにゆくとあいかわらずビームが出ていない。今井さんがきていて準備状況を聞いた。プレッシャーをかけた訳じゃないが、ビームがすぐに出始めた。
• 先日同様ディスクリからトリガーがこない。1 GeV/c ではPMT出力を１／３にするとパルス高が低すぎるのだろう。あきらめてトリガーをもどすと、これまでと同じデータが出ることを確認。
  
• 18:30 幅さんに言われたように「電子をエンハンスしないトリガにすれば電子ピークが下がること」を確認したい。ところが、デバッグも進んでいないようだ。コンテナには今井さんがいて、そこに「トリガーを電子vetoしたものに変えてくれ」と言いにくい雰囲気だった。そこで、Qvtのセルフゲートをためした。以下のように簡単にデータをとることができた。明らかに「ピーク対バックグランド」は減った。グラフの黄色い線がセルフトリガーの結果。青、マジェンタは昨日とった電子トリガでとったデータである。ピークの高さが違うがこれはデータをとった時間が数分の1だから仕方ない。これをみても８０チャネル付近の構造が電子によるものらしいことはほぼ確実。
  
• ここまでやった後気づいてデータをリニアスケールで見てみた。まずは電子トリガ。注意すべきことは、低エネルギーのデータは簡単にオーバーフローする場合があること。
  
• 次は内部トリガー
  
• リニアスケールでグラフを見れば（１）ピークがあるのは明らかだった。(2)チェレンコフカウンタを入れるとピークが明らかに減る。というわけで、この８０チャネルがシグナルと考える。
• 京大グループがビーム運度量を変えるまで時間がかかりそうなのでこれで終わりにした。
• 最後にＰＭＴのハイボルを落として「外部ゲート」の時のオフセットをとった。
  
• 外部トリガで見ているとビーム１スピルあたり６００位トリガがある。その時の「ライブタイム」をみるために、トリガの数とQvtに記録されたデータの数を比較すると９７％だった。