国内には、5箇所の陽子線治療施設がある。その全ての機関に対してシミ ュレーションに関する要求要件の調査を行い、ユースケースの洗い出しを行っ た。兵庫県粒子線治療センターを例とし、プロトタイプの作成を行った。実験 データとシミュレーションの結果の検証を行い、ブラッグピークが良い精度で 再現できることが確認できた。炭素線に関しては、来年度以降、検証を推進す る予定である。短時間で十分な統計を得るために、シミュレーションの事象単 位の並列化を行った。今後、プロトタイプに並列化の機能を組み込み、ベンチ マークテストを行う予定である。また、GRIDを利用した広域分散コンピューテ ィングおよびファイル共有に関する取り組みを開始した。従来からセンターで 行っているGRIDに関する取り組みと連携し、粒子線治療への応用を行う予定で ある。