付録 2 データ移行について

2001年3月26日

センター側(計算科学センターと新システム担当会社 IBM)が行なう、旧共通計算 機から新共通計算機へのデータの移行作業の概要は以下の通りである。

  1. データの種類と量
  2. 旧システム上にあるユーザ用のデータには次のようなものがある。


    (1)D1:ユーザ・ディスク領域にあるデータ




    (2)D2:階層型ファイル・システム(VBFS)上のデータ




    (3)D3:テープ上のデータ(MT直接アクセスにより作成されたデータ)


    (4)D4:メイル・スプールにあるデータ


  3. 移行の方針と移行方法
  4. (1)移行データの移行経路

    (2)ネットワーク経由でのデータ転送

    (3)D2データの移行

    (4)D3データの移行

    (5)データ移行の範囲

  5. 移行のスケジュール
  6. (1)移行開始日

    (2)移行データの参照開始日等

    1. 移行データ(T2、T3クラスのデータを除く)は、前述の通り、新シス

      テムの特定のディスク領域に置かれる。ユーザはこれを参照し、必要なもの

      を各自のホーム・ディレクトリその他にコピーして使用する。これが可能と

      なるのは本運用開始日(2001年1月19日)である。


    2. T2クラスのテープはその利用度からT2Aクラスの約80本と、T2B

      クラスの約165本とに分け、この順で移行を行なう。これらについては、

      あらかじめクラスタ運用責任者にテープの移行作業優先順位と移行先を指定

      してもらい、本運用開始後、その順位にしたがってセンター側が直接ユーザ

      指定の HPSS 領域にコピーする。


      T2Aテープは2月初旬までに移行を終了し、T2Bテープは2月末までに

      移行を終了する予定である。


      T2テープの移行作業中も、ユーザはオープン利用室で DTF ドライブ1台

      を使用できる。


    3. T3クラスのテープ・データは、ユーザ各自が必要に応じ、オープン利用

      室の DTF ドライブを使って移行を行なう。


    4. 参照に供されるデータの所有者情報および属性(アクセス制御等)は、旧

      システムの UNIX 環境のそれらが継承される。


    5. 移行データ(D1、D2、D3(T1))の参照パスは次の通りとする。


       D1およびD2データの参照パス

        ------------------------------

        基本パス: /:/dtran/<cluster-name>/<dfs-path>

        シンボリック・リンクによるパス:

          /:/dtran/<cluster-name>/<host-name>/<local-path>


        (例)旧 ccjlc クラスタの /:/ea2/vtx/xxxxxx の場合

        基本パス: /:/dtran/ccjlc/ea2/vtx/xxxxxx

        シンボリック・リンクによるパス:

          /:/dtran/ccjlc/ccjlc3/raid/ea2/vtx/xxxxxx

        (実は ln -s /:/dtran/ccjlc/ea2 /:/dtran/ccjlc/ccjlc3/raid/ea2)


      D3(T1)データの参照パス

        ----------------------------

        基本パス: /:/dtran/d3/<DTF-volume-id>/<file-name>

        シンボリック・リンクによるパス:

          なし


        (例)旧システムの DTF テープ T-AI011 のファイル file01 場合

        基本パス: /:/dtran/d3/T-AI011/file01



      (3)移行データの保管期限

      1. D1、D2データ、およびD3データ中のT1データの保管期限は4月末

        までとする。その後廃棄する。


      2. ただし前項の、D3データ中のT1データについては、システム全体にお

        いて資源の競合が厳しい状況に至った場合、このデータ領域を他に解放する

        こととする。したがって当該データについては、できるだけ早期に所定の

        ファイル領域へのコピーを完了して欲しい。



      3. 移行の条件と注意事項
      4. (1)移行対象とならないファイル

          D1データの中、次のファイルやディレクトリは移行の対象とならない。移行

          対象に含めるには、所定の属性ビット列に r, x を移行開始日までに設定して

          おく必要があるが、これはセキュリティ等を十分考慮したうえで行なうべきで

          ある(注)。


          1. 属性の others ビット列に r がないファイル。


          2. 属性の others ビット列に r, x がないディレクトリの下にあるすべての

            ファイルやディレクトリ。


        (2)移行開始日以降に更新されたファイルについては、それの移行にセンター側

        は責任を負わない。


        (3)限られた時間内に大量のデータを移行する必要があり、センター側は上記

        データの移行についてその完全性を保証できない。現在のところ、全ファイル

        についてその存在の確認と容量の照合を行なうことまでが限度である。


        重要度の高いディスク・データ(D1データ)については、ユーザ自らがネッ

        トワーク経由で、各自のワークステーションまたはパソコンに接続された記憶

        媒体にバックアップを取っておくことが望ましい。


        また機密度の高いデータについても、同様にユーザ自らが移行を行なって欲しい。


        (4)移行作業に伴い、それが惹起する旧システムへの負荷のため、旧システムの

        運用に悪影響が生じ得る。またD2データ(VBFS データ)の移行作業時のよ

        うに、明らかに運用を制限しなければならない状況もある。この点、ユーザの

        方々の理解と協力が必要である。


        (注)r, x を属性の others ビット列に設定するには次のようにするとよい。

          % find <path-name> -type f -print | xargs chmod o+r

          % find <path-name> -type d -print | xargs chmod o+rx

        ただしこの操作には十分注意する必要がある。パスワード情報等、本来他人に

        読まれてはならないファイルなどがこの操作の対象にならないないようにす

        る。特にホーム・ディレクトリの先頭からこれを行なうのは、きわめて危険で

        ある。