Last update: 2000/3/27
計算科学センターの役割
- 計算科学センターは、高エネルギー加速器研究機構の各種研究活動に必要な計算機資源を運用し、利用に供する役割をもち、昭和46年の研究所設立以来、急速に発展する計算機技術を最大限研究に利用できるように、運営されて来た。
- 設立当初は、電子計算機の揺籃期であり、大型計算機を中心に、12GeV陽子シンクロトロン実験に解析から、理論計算まで、一つのシステムで行われていた。
その後、ベクトル計算方式が発展してスーパーコンピュータとなり、1981年から本研究所でも導入され、新しい研究の領域が増加した。
1981年からの電子陽電子衝突型加速器トリスタンが、建設され、その実験データ解析のための専用計算機システムとして、1985年に従来の中央計算機システムとは別に導入された。
この頃から、ネットワークの利用が計算機と端末を結ぶものから、計算機を結ぶものとして、急速に発達してきた。所内では、イーサネットを多数のセグメントで設置すると同時に、所外へのネットワークとして、専用線によるDECnet, BITnetが導入された。1989年ころから、次第にTCP/IPによるネットワークが普及し、本格なネットワークの時代になった。
- 1996年には、共通計算機システムは大型計算機システムから、ダウンサイズされ、UNIXサーバシステムを中心とした分散クラスタとなった。
また、その以前から、各研究グループないし、個人でワークステーションやPCを購入し、それによる計算などにより、自分の研究活動の多くの部分を賄えるようになり、センターの役割も変わってきた。
- センターが負っているミッションとしては、データ解析のための計算機サーバと大規模なデータストレージをもつデータサーバの運用であり、所内外のネットワークの構築運用管理である。それと同時に、所内外の利用者の所有する計算機との連携である。これに加えて、近年の高度情報化の技術的、社会的な流れにつれて、電子メールやテレビ会議、WWWなど、マルチメディアによるグループウエアのなどネットワーク応用のサービスが急速に増加してきている。
- 支援業務の活動とともに、将来の方向を探る研究開発も実施して来た。最近では、オブジェクト指向プログラミング、高速ファイルサーバ、広域分散計算機環境の試験、イベントビルダー、などである。