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Belle DAQ system

鈴木  聡

計算科学センターではBelle実験のデータ読出し・収集システムの 開発および運用に実験開始時から参加している。 データ収集システムは加速器の性能向上にともない、 ほぼ2年毎にシステムを更新している。 データ読出し部分はFASTBUS TDCを使用したもので 現在の加速器性能にも十分追従しており、 これまでは主に読出し後の収集・転送・事象構成に重点をおいた システム更新を行なっていた。

今後、加速器の性能が現在の2倍になると 追従できない兆候が見えはじめているので FASTBUSにかわりモジュール毎に直接データをネットワークで とりだせるような読出しシステムを開発中である。 このモジュールは1枚づつがCPUモジュールを搭載し、 Linuxを用いてデータを読み出す構成になっている。

ここでLinuxを選択した理由は 不要データを除去するのに用いられるソフトウエアを 直接このモジュール上で動作させ データ量を早い段階で削減させるためである。

平成16年度はハードウェアにて実装したデータ生成シミュレータを用いて データを送出し、データ量の削減を行なっても 読出しを遅延させることのない程度の十分なCPU性能が 提供できることを確認した。

また、ATLAS実験用に開発されたTDCチップ(AMT-3)を用いて TDCモジュールを作成中である。 Belle実験の読出しは現在すべてTDCを用いて行なわれているので、 TDCが開発できれば現在の検出器のデータはそのままTDCで読みだせる。

平成17年度の目標はBelleを構成する検出器のうち1つにたいして このシステムを用いて読出し・データの比較を行ない、 読出しシステム更新の先鞭をつけることである。

また、データ量の増大にともない 現在の事象構成機のCPU性能が限界に到達しつつあり 事象構成機を二重化してCPU負荷を削減する計画である。 当方では読出しVMEボードからのデータ出力経路を 2つに振りわける回収作業を担当する予定である。



成果の公表 : [[*], [*], [*], [*], [*]]



Computing Research Center, 2005